Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

ide LAB.

【書籍】『レジリエンスを育むフォーカシング コミュニティ・エンパワーメントの技法』

2021.03.07 00:51

訳本が出ました。

レジリエンスを育むフォーカシング コミュニティ・エンパワーメントの技法

といっても,1章を担当させていただいただけですが…

ただ,レジリエンスについての研究にも取り組んできたし,修論ではフォーカシングに取り組んできたし,なんとなくそのあたりも重なり合っていて,翻訳チームに加えていただいてありがたかったなぁという感想です。


この本の中では,世界中のいろんな紛争地域など,コミュニティの中に潜在的,顕在的な不安や軋轢があるところで,そのコミュニティをエンパワーする方法としてフォーカシングが用いられいて,その内容やいろいろな工夫などが示されています。

訳をし始めた頃は新型コロナの影もなかった頃だったのだけれど,期せずして見えないウイルスに対する不安や,それに伴う軋轢が見え隠れする昨今の状況がこの本の内容をとてもつながっているように見えます。なんともタイムリーな本になったなぁという感じです。


これまでもちょいちょい書いてきたけれど,こうした不安や軋轢は決して戦うものではなくて,その中に身を置きながら,自分の中のバランスに目を向けるといった付き合い方が必要だと思います。

私が担当させてもらった章は「第10章 内的なバランスを見つける」という章なのですが,不安や軋轢の中に身を置きながらも自分のバランスを見つけて,その中に身を置くことができるようになっていくというようなことが示されています。内的なレジリエンスを育むことをエンパワーするという感じですね。そして,そうした個々の内的なレジリエンスが高まっていくと,コミュニティ全体のレジリエンスも高まっていくよね,ということなのだと思います。


心理療法に関わる人はもちろんですが,教育やコミュニティの支援などに関わる人にも読んでもらえるといいなと思います。