香木実〈かぐのこのみ〉
2016.10.28 04:27
伊勢志摩サミットでも供されたという くるみ「香木実」(会津 長門屋本店)。
この名を聞いて「え?柑橘系のお菓子じゃないの?」と思われた方、あなたは日本の
古典に精通していらっしゃいます!
そうです、非時香木実もしくは非時香菓と表記される〈ときじくのかぐのこのみ〉
は一般的には橘のことと考えられていて、上代不老不死の霊薬として珍重されたとか。
ですが「香木実」「香菓」という字を見ているとくらげびとは柑橘類よりもむしろ
堅果を想起します。不老不死をもたらす香りの良い木の実・・・古の人はどう捉えて
いたのでしょうか、興味は尽きません。このようなことをとりとめもなく思いながら
お菓子をいただく時間もまた格別。
↑松波庄九郎氏撮影 橘
古事記、日本書紀には、垂仁天皇が田道間守を常世の国に遣わして「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)・非時香木実(時じくの香の木の実)」と呼ばれる不老不死の力を持った(永遠の命をもたらす)霊薬を持ち帰らせたという話が記されている。古事記の本文では非時香菓を「是今橘也」(これ今の橘なり)とする由来から京都御所紫宸殿では「右近橘、左近桜」として橘が植えられている。ただし、実際に『古事記』に登場するものが橘そのものであるかについてはわかっていない。
(引用:Wikipedia 橘)