11.お菓子の話をしよう『クレーム・バシック』
こうして生活している間にも、突発的に心ユサブられる菓子。というものに出会うことがある。
それは美味しいお菓子との出会いであったり
知らなかった菓子との出会いであったり
まだ見ぬお菓子との出会いであったり
そして
毎回。ときめいている。
そんな瞬間に出会うたびに
この世界(菓子)が面白い、そしてパティシエというのは面白いと
いろんな角度で再認識することができる。
そして、そんなときめきは、与える側である我々パティシエだからこそ感じていなければならないのではないかと思う。
さぁ、前置きはこのぐらいにして。
フランス菓子。
『古典』というものはやはりいつも、ベースになる。
たいていの菓子には背景(歴史)があり原型があったりするものです。
今日はそんな古典、いや、もっと古い原点。
を今更ながら再び探っていた時に出てきた。クリーム。
『クレーム・バシック』はて?ナンジャラホイ。
お酒がお菓子の世界でいつ登場したのか。
それは17世紀ごろの話。ババにかけるシロップにアルコールが使われ、その頃にこの”クレームバシック”も登場する。
もちろん果実酒やリキュールとして甘いお酒というのは存在していた。
さくらんぼから作られるキルシュやオレンジだってもちろんリキュールになった。
しかし、菓子屋や家庭の菓子づくりにアルコールが欠かせなくなるのは19世紀になってからなのだ。
今では大活躍のラム酒なんてが1700年代に誕生するがお菓子と出会うまでに1世紀以上かかっているのよ!?。
さてさて、そんな、アルコールとお菓子が出会ったころ。
そんな原始的なクリーム。クレームバジック。
一体どんなクリームなのだろう。
このクリーム。別名”バッカスのクリーム”という。
良質の白ワインを使ったクリームなのだとか。
どんな優雅なものかと思ったが、どうやらこのクリーム。配合を見てみると、クリームとは言っても
クレームアングレーズのようなクリーム。(ソース版のカスタードクリームですwちなみにそのクレームアングレーズの配合に小麦粉が加わると固まってカスタードクリームになるのです)
というわけで、クレームバシック。ソースに近いもののようだ。
白ワイン 約8.5リットル
緑のレモンの皮 二個分
コリアンダー 少々
シナモン ひとかけ
砂糖 3オンス(?)
これらを鍋に入れ、弱火で15分間に立たせる。
別の鍋に
小麦粉 小さじ半分
卵黄 六個分
をとき、
煮だたせたワインを少しずつ加える。
粗熱をとったら濾し器にかけ、湯煎でクイームを温める。
温まったら湯煎から外し、食卓に出すまで涼しいところに置いておく。
とのこと。なるほど〜優雅なのにはかわりないわ。
ん〜。(クレームアングレーズができたのっていつなのかしら??また調べてみようw)
っていうか白ワインの量が多い!!
この白ワイン、ボームドヴニーズのミュスカ、バミュルスの白、ソーテルヌ(好きw)で作るといいらしい。
ということはワイン自体も優美で贅沢な甘さを持ったワインを使えってことね。
なるほど。
面白いわ。
どのくらいの糖度のワインを使うかでかなりニュアンスは変わってくるとは思うのだけれど、甘すぎないぐらいが多分いいんだろうな。(私的には)
ちょっと作ってみたい。
というか、飲みたい。(やってみるか?)
こんな歴史とか、まぁ、知らなくても?確かにお菓子は作れちゃうんだけど、でもなんていうか、愛着というか。
愛情というか、そんなものを持って菓子を作るというのはまた一つ加わると思うのです。
というわけで、たまにはこんな古典の話もwいいじゃないですか。ね。