感染症と事業継続計画(BCP)について(代表質問より)
新型コロナウイルスの感染拡大の中、感染症を想定した事業継続計画(BCP)への関心が高まっています。
民間の調査会社が行ったBCPに対する企業の意識調査によると、事業の継続が困難になると想定しているリスクは、「自然災害」が70.9%と前年に続いて最も高かったものの、次いで69.2%の「感染症」があとに続き、前年から44.3ポイントの大幅増となりました。
また、新潟大学の田村圭子教授が行った調査によると、自然災害を想定したBCPの策定率が70.0%に対して、感染症を想定したBCPの策定率は39.9%と低く、BCPを定期的に見直しているという回答は、1割にも満たないことも明らかになりました。
感染症の流行が長期化する中、どのようにして事業を継続し、そして回復していくのか。将来的に、繰り返し感染症が発生することを考えれば、感染症を想定したBCPの策定は必須となります。
鳥取県では、企業向けに新型感染症に対応したBCPモデルと、その利用の手引きを作成するとともに、合わせてBCPの普及啓発セミナーや策定ワークショップ等を行い、BCP策定の支援を行っています。 本県においても、県内中小企業のBCP策定率の向上に向け、同様の取り組みを行うべきであると考えることから、県の見解を質問しました。
県内の中小企業に対して、感染症対策を含めたBCP策定の後押しをすべきと考えるがどうか?
企業のBCPは、災害などに遭遇した場合でも事業の継続を可能とする計画であり、新型コロナウイルス感染拡大が、各企業に大きな影響を与えている中、その重要性は高まっていると認識しております。
しかしながら、県内企業のBCPの策定状況は、ノウハウの不足などを理由に、検討中のものを含め半数程度となっており、まだ 十分に進んでいない状況です。このため、県では、千葉県産業振興センターにおいて、BCP策定セミナーの開催や専門家派遣などを行っているところで ございます。
今後は、感染症対策を含めたBCP策定の重要性について、各種経営相談の機会を通じて、更なる周知を行うとともに、中小企業にとって分かりやすいモデルプランを示しながら専門家がアドバイスを行うなど、しっかり寄り添った支援に取り組んでまいります。
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BCPを策定していない理由として、多くの企業が策定に必要なスキルやノウハウがないことがあげられています。千葉県版BCPモデルの例示やワークショップの開催など、BCP策定に取り組みやすい環境づくりを進めるよう要望しました。
【参考資料】