デザイナ・天津憂の強みは「ファッション×デジタル」、ウェディング新提案｜AFWT2017ss
【高級ファッション ニュース】 天津憂（己未）がデザイナを務めるブランド『Ｈａｎａｅ Ｍｏｒｉ ｍａｎｕｓｃｒｉｔ（ハナエモリ マニュスクリ）』の新作ウェディング コレクションが、平成二十八年十月十八日に「アマゾンＦＷＴ二〇一七春夏」内にて東京・港区で発表された。今季のウェディング コレクションは、メインラインと同様に“切手”からインスピレーションを得て、ウェディングとしては初のランウェイとなり、虎ノ門ヒルズ内でのショーとなった。
テーマは「優美な意外性ーＡ Ｄａｉｎｔｙ Ｓｈｅｅｒ Ｌａｙｅｒー 重なり合う優美」。ブランドのコンセプトである強い女性像をイメージし、その中のエレガンスを気にしながら制作した。天津は「この服を着る事でモチベーションが上がる、一歩前に出れる様な洋服作りを心掛けた。」と話す。
＜ＡＩのユーザの属性把握より提案＞
ラインは、ウェディングという点で王道の白で統一。その中でもパンツルックやボリュームのあるシルエット、そしてヘッドドレスで天津らしさを表現し、あらゆるウェディング シーンで愉しめるものとなった。ファーストルックでは、青く光る“モルフォテックス”という糸で作られた生地を使用。モルフォという木の葉蝶の羽の屈折を分析して作られており、蝶をイメージさせる同ブランドにおいてはぴったりの素材で、エレガンスなルックとなった。
またファッションとデジタルを掛け合わせる事に長けている天津は、ヘッドドレスを３Ｄプリンタで作成。樹脂のヘッドドレスは平面ではなく立体感があり、ルックをより惹き立てるアイテムとなった。「ウェディングは一番のお披露目の場となるので、一番着飾って、皆に見て貰える様なものを作った。」と天津は話す。今後は海外での発表も視野に入れる。現在は準備を行なっており、良いタイミングで発表できたらと明かした。
更に会場には男女、年齢、表情等を分析し、その人にあった画像等が映し出される顔認証デジタルサイネージ「ＢｅｅＳｉｇｈｔ 搭載筐体」が設置された。コレクションの他、女性にはウェディングドレス、男性には携帯のアクセサリ等が映し出される。天津は「販売員の思いで売って貰うのは有り難いが、デザイナの思いでその人を見て、ＡＩ的に勧めたりという事も出来るので、もっとブラッシュアップして良い具合にできたらなと思う。ウェディングは、じっくりカウンセリングをしながら出来るので向いていると思う。」と、今後のビジネス展開にもＡＩ筐体を用いていきたいと語った。
『Hanae Mori manuscrit ウェディングコレクション／㈱ハナエモリ・アソシエイツ』
記者：原田眞吾×撮影：岡本早百合