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Haruna Terazono

あのころのデパート

2016.10.31 15:31

地元にあるデパートは、バブル期に拡大、3棟に。

でも、リーマンショックを経て、1棟は駐車場になり、

もう1棟には大手カラオケボックスが入って、

今、営業しているのは1棟だけになってしまった。


子供の頃、洋服を買ってもらったり、地下で食品を買ったり、レストランで食事をしたり

横須賀は田舎だから大したものがないと言いながらも、ここで思い出をたくさん作った。


長野まゆみさんの「あのころのデパート」は、

長野さんの幼少期のデパートの記憶や、デパートで勤務した経験を中心に、

デパートの秘密を綴った作品。


母の世代の長野さんに語られるデパートは、私が思っているより、

ずっと特別感があって、敷居の高い場所だった。


それでも、デパートが元気だった最後の時代には私も生まれていたので、

読んでいると、祖母が捨てずに取っていたデパートの包装紙の臭いを思い出したし、

ハサミでリボンのくるくるを作る方法だったり、レストランでの食券のやり取りも

懐かしく思い出した。


デパートから、横道に入って出てくる話もこの作品を魅力的にしていた。

中でも『暮らしの手帖』への意見は、暮らしの手帖創業者をモデルにした

朝ドラ『とと姉ちゃん』を見たばかりだったので、ハッとさせられた。


”商品テストでは天下のナショナルや日立を厳しく批判した『暮しの手帖』でも、

家電メーカー各社がその後何十年にもわたって商品開発の基準としてきた

「標準的な家庭(夫と妻と子どもふたり)」のドリームには、

まったく文句をつけなかったのだ”

と・・・女性が家事をすることを前提として記事が書かれていたことに

問題の根深さを感じると指摘している。


半年間ドラマを見ていて、フィクションだったと言えど、

子育て中の女性が家で仕事ができるように配慮したり

女性の働きやすい環境を先進的に作っている会社だと、私は正反対の認識を持っていた。


様々な角度から、物事を検証できる目を持ちたいものだと感じた。

写真は、かぼちゃサラダ。

今年は、昔のデパートにはなかったハロウィンを、ちょっとだけ楽しんでみた。