高齢者や子供が使いやすいシステムバス研究~カウンターまわりの工夫~
施主の家族に高齢の方や子供がいるならば、浴室の安全面や使いやすさには十分配慮したものにしたい。今回リフォマガでは、主要5メーカーの戸建用システムバスをリサーチし、高齢者や子供が使いやすい浴室選びのポイントを3つ(1 浴槽のまたぎ高さと内外段差、2 あたたかさへの工夫、3 カウンターまわりの工夫)にまとめた。全てが標準仕様ではなく、オプション品もあるので、実際にショールームで体験しながら、必要なものを選んでいこう。
高齢者や子供が使いやすいポイント 3
カウンターまわりの工夫
カウンターの形状や取り付け高さ、手すりの動線、水栓に至るまで、使いやすさに配慮をした各メーカーのカウンター周りの工夫を紹介する。
【TOTO】
ベンチカウンター(Fタイプ)
大人も子供も使いやすいベンチカウンター
ゆったりと腰掛けて、シャワーが浴びられるベンチタイプのカウンター。背もたれ兼用の握りやすい形状のサポートバー(写真1)で、浴槽への移動を安心して行える(写真2)。また、背もたれがあることで壁に背などが当たって、ヒヤっとしづらくもなっている。親子で会話を楽しんだり(写真3)、楽な姿勢で子供を洗えたり(写真4)、浴室から出る前に座りながらバスタオルで体を拭けたり、用途は様々。
ほっカラリ床
滑りにくく柔らかい
足裏にフィットして滑りにくい。また、床の内側に柔らかいクッション材があるため、ひざをついても痛くない。ヒヤッとせず、掃除がしやすいのも特徴だ。
▲出入口の段差を低くしているから、つまづきにくい。(全シリーズ共通)
インテリアバー
立ち座りをサポート
立ち座り、浴槽の出入りをしっかりサポートするバー。高齢者だけではなく、体調が悪く弱っている時など、ちょっと持てる場所があるといい。
▲ちょっと持てる場所があるといい。
【Panasonic】
おきラクてすり
浴室内での動作をサポートする横手すり
洗い場での立ち座りや浴槽の出入り時の横移動やまたぎの動作など、浴室内での一連の移動をサポートする横手すり。握りやすく、使いやすいので、安定した姿勢で移動が可能。さらに、小物類を収納することもでき、立ち上がらなくても手が届きやすい位置に設置されている。
▲収納部のワイヤーラックと浴槽側の透明パネルは、取り外して洗うこともできる。
【ハウステック】
2WAYタッチ水栓
立っても座ってもワンタッチで
お湯の出し止めを、立っても、座っても、ワンタッチで操作できる。立ってシャワーを出す時は、上からワンタッチで、座った時は正面からワンタッチで。無理な動作のない簡単に操作できるから、素早くお湯の出し止めができ、節水にもなる。
▲立ってシャワーを出す時は上からワンタッチ。
▲座った時は正面からワンタッチでお湯を出し止め。
【LIXIL】
サポートパックと腰掛付保温フタ
浴室内の動線を繋ぐフラットサポートバー
身体をしっかり支え、身体能力が衰えた方でも、ひとりで楽しい入浴が可能になるフラットバー。握力が弱った方でも握った手が安定するよう前面にフラットな面を設けた。腰掛付保温フタセットを併用すれば、座りながら出入りもできる。使用しない時はたたんで収納でき、取り外しも可能。
※浴室サイズ・ドア位置・ドア種類によりフラットサポートバー・握りバーの設置数や位置が異なる。
▲サポートパックと腰掛付保温フタを組合せて、より使いやすく…。
画像提供/LIXIL
【クリナップ】
サポートバー&シェルフ
サポートバーと手元収納が一体のカウンター
サポートバーと収納シェルフが一体となったカウンター。小物に手が届きやすい位置にカウンターがあるので、座ったまま楽にとることができる。また、水切りスタイル、フラットスタイルの2通りのスタイルで使用可能。さらに洗い場での立ち座りや浴槽の出入りなど、浴室内での動きをサポートしてくれるサポートバーは、力を入れやすい形状で、握力の弱い方でも握りやすいように配慮している。
▲浴室内での動きをサポートしてくれるサポートバーは、どの位置でもしっかりと握りやすく、力を入れやすい形状で、握力の弱い方でも握りやすいように配慮している。
水切りスタイル
▲ボトル類をステンレスパイプの上に、傾けた状態で収納できる。底面に水がたまりにくくなり、ぬめりや汚れの発生を抑える。
フラットスタイル
▲バーと収納シェルフが同じ高さになるため、すっきりスマートに収納可能。置いたボトルも簡単に使うことができる。
リフォマガ2020年2月号掲載
⇓⇓同じテーマの記事を読む⇓⇓