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梨の日

3.11 10年

2021.03.11 14:29

東日本大震災の発生から、10年経ちました。


今も4万人以上の人が避難先での生活が続く今。


あの瞬間は、自主映画の撮影中。

外にいても、足場が揺れる体験は初めてだった。

皆で固まった。

身を支えてもらって、皆で移動した。



毎度書いてるかもしれないけれど、それでもやっぱり書き起こす。



自身発生後、自宅から少し離れた場所で撮影していたのでその日は帰れず。

人の家にて、みんなで避難させてもらった。

一晩、誰かと一緒に家にかくまってもらえたなんてさ。

なんて恵まれていたんだろう。

毎年、いつも思い返す。


そして。

TVにはずっっっと映る、東北地方が中心の日本地図。

福島の南相馬周辺が、ずっと通常色ではなかった。

常にピコンピコン鳴っている状況だった。

TVの音が、アナウンサーの強い声がこわくて。

親戚が頭を過り続けて、涙が止まらず血の気がずっと引いていた。


ずっとずっと電話をかけてた。

叔母さんの電話番号って、どうやって知ったんだっけ。

両親に連絡した際に、聞いたのだと思う。

連絡できる人数が多い方がいい気がしたんだ。

教えてもらってからは、TVを前に、ひたすら電話をかけてた。


叔母さんに繋がった瞬間と、

その時の声を、今でも覚えてる。

そして今でも、この瞬間も、涙が出てくる。


いつも明るくて話し上手の叔母さんの声は、

東京にいる姪の、たかだか22歳の私に少しでも心配かけないような、気遣いの声で。

それでも、不安と恐怖が隠し切れてなくって。

だって、ずっと強張り震えていたから。

聞いたことのない細い声だった。


命に関わる状況だったのにも関わらず、

恐らく色んな人から連絡が鳴っていたのにも関わらず、私の電話に出てくれたことには感謝しかない。。

電話を取ってくれて、

声を聞かせてくれて、本当に良かった。。



帰宅できてからは、南相馬が地元である父の顔色が悪かった。


連絡取れねぇから死んじゃったなコリャ、

とか開き直りつつも、どう声をかけていいのか分からなかった。


連絡が取れなかったもう1人の叔母さんは後日、たいぶ経ってから連絡が取れた。

新潟だったかな。

なんでそんなところに!と我が家で騒ぎつつも、連絡がなかった数日のつかえが取れて、もう…。

何よりだったのを覚えてる。





被災していない私が、親戚が南相馬にいるだけで暗くなるのも、いつもなんか違う気がしてる。

でも知らないフリなんか当然出来ず。


それでも、何も出来ていない私の10年。


人生の大イベントがあったわけでもなく。

いざ10年という数字を目の当たりにして、1番自分が落ち込んでしまった、、。



今年は、今年こそは、福島に行くんだ。


私はいつでも行ける。

私が都内にいるため、このコロナ禍で遠慮があるだけ。

東京から来るのイヤだろうし…。


だから、あと少し、もう少しだけ落ち着いたら。


どうしたって何も貢献も応援も出来ていないけど、従兄弟のお兄ちゃんが言ってくれた一言がずっと私を責めないでいてくれてる。


「何をするでもなく、ただ覚えててくれてるだけでいいんだよ、ありがとう」


違ったらごめん。笑)


だからせめて、

たかだか私個人のSNSだけど、何か福島(地元)に関わることがあれば発信することにしてる。

それだけでも嬉しいよ、と言ってくれた。




今日観た映画では、2014年に起きた事実に基づくストーリーだった。

7年前の結構な事件だったけれど、今はニュースにも上がらない。

こうして風化していくのかと、背筋が冷たくなった。



大それたことが出来なくてごめんなさい。

でも今日は、毎年実行している少しの募金と。

従兄弟の兄ちゃんに連絡をした。


「10年経った今も生きててくれてありがとう」

って。


今日のあの時間には、サイレンが鳴ったみたい。

フラッシュバックもする、サイレン。

都内でもあの時間、黙祷をした2時46分には、町内放送があった。

まるで違う感覚だよね…。


今日が平和に生きられている“日常”に、感謝と尊さをひしひしを感じる日。

節目なんかはない。

また来年も、こうして思い出す。

区切らないで。

区切ってしまうとどこかで忘れてしまいそうだから。




福島行った時には、福島の酒を一緒にどちゃくそに飲む予定なので、私も鍛えておこ。←



来年も、健康でいてね。

忘れない。

忘れないのが1番。





毎夏、福島から送ってくれる梨。


美味しいんだよぉぉぉ。


私の養分。

夏に福島をしっかり取り入れるのが、ここ近年の私です。

共食いしました報告が決まりです。


あとたまに福島産の日本酒を、ね。