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農薬はなぜ使われるのか

2016.11.02 06:08

野菜生産者が農薬を使う時の目的は、大きく分けて3つです。

1つ目は虫の害を防ぐための殺虫剤です。

人にとっておいしいお野菜は虫にとっても格好の標的です。特に暖かい季節は問題で、油断すると畑全体が全滅ということもありえます。

2つ目は主に土からくる様々な病気を防ぐための殺菌剤です。

植物も人間と同様、様々な病気があります。葉が枯れるもの、根が腐るもの、実の中が黒くなるものなどなど。土の中には必要な微生物もたくさんいるのですが、それもろとも土壌を殺菌してしまうのが、殺菌剤です。

そして3つ目は草取りの手間をなくしてくれる除草剤です。

野菜と雑草の生存競争ですが、当然雑草だらけの畑では収穫は期待できません。ところが、除草は大変な手間がかかります。農家の労力という面からいうと、除草剤ほどありがたい存在はないのです。

生産者の実態

農薬を使わないということは、虫や病気の害のリスクがかかり、除草の手間をかける必要があるということです。

実際に、無農薬栽培の畑の現場では、病気の発生で半分が収穫できなくなってしまった」とか「虫が大量に発生して3分の1は収穫できない。残り3分の2も虫で大分穴が開いてしまった」というようなことが起きることも度々なのです。 「市場流通」では、どのようにして作ったかよりも、とにかく外見が重視されるので、労力削減(コスト削減)のために、農薬はなくてはならないものになっています。

有機栽培野菜とは

有機栽培野菜の場合は農薬を使わないので手間ひまのかかる作業が多くなります。防虫網を使用したり、手で畑の雑草を取り除くので生産コストがかかります。有機栽培野菜は一般の野菜と比べて割高ですが、安全性、栄養、美味しさの点では一般のものより優れているので妥当な価格と言えます。