Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

データとデジタル技術活用で未来を創る!スキルアップ学習サイト

新人教育(OJT)の進め方

2021.03.13 07:11

新入社員は、入社後の研修、OJTによる現場指導など、教育訓練を実施して早く即戦力として仕事を任せられるようにしなければなりません。しかし、中小企業にとっては教育はなかなかうまくいかない、というのが実情です。その理由としては

 ①教育計画が建前となっていて、中身が十分でなく効果が上がらない

 ②現場指導者は、あれこれ自分の業務で忙しすぎて指導ができない

 ③そもそも現場指導者に教育するスキルがない

などです。


1.企業人・組織人としての考え方・行動の基本

最近は、企業人・組織人としての考え方・行動の常識がないので、そこから教育を始めたいという要望を聞くことがよくあります。以下は、若手社員だけでなく、指導する立場の現場管理者にも同時に学んで頂きたい項目をまとめたものです。

(1)会社で「仕事」をするうえで前提となる心構え、態度として

 1.声を出して挨拶する

 2.身だしなみに気を付ける

 3.自分の職場、机の上、使った器具は整理整頓、清掃して帰る

 4.ノートを持ち歩き、メモを取る習慣をつける

 5.約束事は守る、どうしても守れない場合、早めに理由を連絡する

(2)コミュニケーション

 1.わからないことは積極的に聞く

 2.上司に聞かれたら応えるのではなく聞かれる前に自分から報告する

 3.疑問や問題と思えることはそのまま放置しないですぐに聞く

 4.その日指示された仕事は、結果または経過を業務終了前に報告する

 5.指示内容は、復唱しメモを取る

 6.同僚が困っているときは声をかけ必要に応じて支援する

(3)仕事に対する姿勢

 1.毎日の仕事の目標を立て実施できたかどうかチェックする

 2.仕事の内容や手順は、どこにルール化されているかを知る

 3.仕事をより深く、幅広く理解しようと積極性を持つ

 4.苦手な部分を直視し、できるように努力する

 5.他人のせいにしない、どうすればうまくいくか考える

 6.今やっている仕事に情熱を注ぐ

 7.失敗を犯しても、諦めない、前向きに考え改善する

 8.自分の仕事は、会社の何に貢献するのかを理解する

 9.会社の目的と自分の目的は何かについて考える

 10.自分の将来像を描き、自らの努力や友人、上司の力を借りて実現する


2.OJTがうまくいかない理由

OJTは、職場内で、実践の知識や技能を身に付ける重要な教育訓練手段です。従って、効果的な方法で、きちんとしたOJTを実施する必要があります。しかしながら、OJTの実施者(上司・管理者)の力量によって、成果にバラつきが生じる欠点があります。例えば、この製品を仕上げる技能は右に出る者がいないというベテラン係長がその加工技術や組立技術・ノウハウを部下にうまく伝授できないため、係長だけがいつもその製品を担当し、他の人間は作業ができないといったケースです。

この係長も部下にOJTをしていないわけではないが、「指導ノウハウ」の未熟さから部下を育てきれていないのです。要するに、会社として部下を育てる能力・ノウハウが個人任せになっているのです。


 3.効果的なOJTを行うには

 効果的なOJTを行うには、具体的な計画づくりと、実施のフォローが成功させるための最大のポイントになります。計画作成は、教育ニーズに基づき実施しますが、それには、個人別にニーズを捉える必要があります。

 ①仕事に必要な内容を基本作業に分解する

 ②新人の能力を把握する(学校を卒業して入社した場合は能力ゼロと捉える)

 ③現在の能力と、必要とされている能力の差がOJTのニーズとなる

 ④ニーズに基づいて、個人別にOJT計画書をつくる

 ⑤OJTの実施、遅れた場合は、計画を見直して日程を組み直す

 ⑥終了にて、受講者はOJT受講報告書を作成する

 ⑦評価とフィードバック(教育実施者は結果を評定し、フォローする)

OJTは、実際の業務の経験を積むことで、仕事を任せ、うまく遂行できるように教え、受講後は自分で学習し、成長する機会を与えることが重要です。OJTの基本フローは下記の通りです。

 「基本作業の抽出」と「自ら見本を見せ」→「作業者にさせ」→ 「確認・評価」

決して、「これやっておいて」と言って、後で結果だけを見て判断してはいけません。

またOJTの名のもとに、現場に任せきりとなって、無計画な教育が実施されていると離職率の増加や、戦力として育たないという、せっかくの人材を生かせないことになるので、管理層は、教育担当者の意識付けと、教育時間の配分などのフォローが必要です。 企業トップは教育に関心を持ち、どのような人材を必要としているかを、はっきり明示し長期戦略で、人材育成に取り組む必要があります。中小企業こそ、人材を生かして行かなければ、生き残りは難しいと考えます。