Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

「宇田川源流」 コンビニのスプーンを有料化するという小泉環境大臣の評判が落ちる理由

2021.03.17 22:00

「宇田川源流」 コンビニのスプーンを有料化するという小泉環境大臣の評判が落ちる理由


 プラスチックゴミが増えてしまい、そのことによって様々な問題が出てきていることは承知している人が少なくないのではないか。

イルカや亀、クジラなどが、プラスチックのごみを食べて、空腹感を覚えなくなってしまい、そのことから餓死してしまうというような事が報道されて、海をきれいにしなければならない、プラスチックのごみを少なくしなければならないというような感覚を持った人は少なくない。

 もちろん、資源という問題もある。石油化学製品は、元々は石油でしかない。その石油を加工してポリエチレンにして、それを加工する。そのことによって、そもそもが化石燃料であったことから、自然の中で溶けないということになり、その物質が残ってしまう。そのために、海洋生物が食べるなどの事故が起きてしまうのである。

 しかし、では昨年から始まった「レジ袋有料化」は有効であったのかといえば、その検証は全く行われていないということがなかなか興味深い。実際に、レジ袋有料化で、レジ周りがかなり混乱していることは間違いがない。もちろん環境のためということであれば、それは国民側に協力する義務があるのであろうと思うが、しかし、そのことが経済に与える影響などはしっかりと見なければならない。

 つまり、本来であれば、小泉環境担当大臣は、経済産業省や財務省など、他の省庁と話をし、そのうえで、制度を変えたところでその効果などを発表し、そしてその効果と経済効率などを見て、そのうえで、物事を判断すべきなのである。

しかし、小泉大臣はそのような「効果の検証」が全く行われていない。レジ袋を有料化したことによって、どれだけ環境がきれいになったのか、ごみが削減されたのか、石油資源が少なくなったのかなど、それらの効果を国民に発表することが先であり、そのようなことを行わなければ、小泉大臣の売名行為と言われても仕方がないのである。

 政策を変えた場合、もちろん効果が判別しにくい物もあるのだが、国民に不便を強いた場合などは必ずその報告が必要である。

残念ながら、野党の諸氏も、それらのことを質問することはないし、またそのことを発表されたとしても、そのことを評価できるだけの勉強をしていないのが現状なのである。

 このような政治をしていては、小泉大臣の「政治力」が見えてきてしまうのではないか。


コンビニでスプーン有料化検討、小泉環境相「自分で持ち歩く人が増える」

 政府は9日、事業者にプラスチック製品の削減を義務づけるプラスチック資源循環促進法案を閣議決定した。今国会に提出し、2022年4月の施行を目指す。環境省は成立後、省令でコンビニエンスストアのプラ製スプーンや飲食店のストローの有料化などを検討している。

 法案は、プラスチックごみ(プラごみ)の排出を抑制し、資源を循環させることを目的とした新法で、製造、販売、回収の各段階で新たな措置を盛り込んだ。

 販売段階では、コンビニなどの小売店やレストラン、カフェなどの飲食店に対し、プラ製品の使用削減を義務づける。事業者が取り組むべき対策は成立後、省令で定める。環境省は、使い捨てのプラ製スプーンやフォーク、ストローなどを対象に〈1〉有料で提供〈2〉受け取らなかった客にポイントを還元〈3〉代替素材への転換――などの対策を示し、いずれかの対応をとるよう義務づける方向で検討している。

 対策を講じない事業者には、国が指導や命令ができ、命令に違反した場合は50万円以下の罰金が科せられる。

 製造段階では、全てリサイクル素材で作られた容器など環境に配慮した製品を国が新たに認定する制度を創設する。名称やマークを決めて周知し、消費者に環境に優しい商品の購入を促す。

 企業のオフィスや工場から出る包装資材などに関しても、大量排出をする事業者に抑制やリサイクルを義務づける。市区町村に対しては、家庭ごみを収集する際、新たに「プラごみ」の区分を設けて別に回収するよう努力義務を課す。

 プラスチックを巡っては、昨年7月から容器包装リサイクル法に基づいて小売店のレジ袋が有料化されている。小泉環境相は新法案について「コンビニでスプーンなどが有料化されれば、自分でスプーンを持ち歩く人が増えていく。こうしたことでライフスタイルを変化させていきたい」と述べた。

2021/03/09 読売新聞

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210309-OYT1T50145/


 そのようにレジ袋有料化についてまだ、その効果などもはっきりしていないにもかかわらず、次の事を行うと言い出したのである。

 環境省は、使い捨てのプラ製スプーンやフォーク、ストローなどを対象に

〈1〉有料で提供〈2〉受け取らなかった客にポイントを還元〈3〉代替素材への転換――などの対策を示し、いずれかの対応をとるよう義務づける方向で検討している。<上記より抜粋>

 まあ、何を言い出しているのやら、というか、これで次にどれくらいの効果があるのかということになる。

実際にストローなどは、紙素材などになっているし、また、コンビニのスプーンなども木材でできているものも少なくない。では、これを今の段階で行うことがどのような効果が期待できるのであろうか。また、一方で今までストローなどのプラスチック製品を製造していた企業に対する援助策などはないのであろうか。そのようなところまですべて面倒を見て初めて「政策ができる」と言ことではないのか。

 そもそも、レジ袋有料化は、レジ袋ということにはなったが、一方でゴミ袋などはそのままビニールを使っている。つまり「ゴミ集配」のシステムが変わらなければ、結局のところレジ袋は減らないということになるのである。

このように「他の行政関係で、ビニール袋を使うところをなくす」ということもせず、全く連携が取れていない状況でそのまま進めていること自体が大きな問題ではないか。いまだにごみの集配場は、レジ袋で出すことができる。そのような制度をどのように考えるのであろうか。

 同時に、今度は化石燃料ということを考えれば、魚や肉を乗せている食品トレーはどうなるのであろうか。あれらのトレーに関しても再利用や回収などの責任が全く見えていない状況であり、その辺も完全に見落としている状態である。

要するに「国民に不便な生活を強いていながら、その政策の効果を全く発表せずに、次の内容をそのまま言い始める」ということになる。

 ちなみに、私の経験上で言えば、政策というのは「一歩ずつ、他の人の言動に惑わされることなく、着実に効果を検証しながら実行する」人が最も良く政治ができる人であり、何か雰囲気に流されて仕事をする人は仕事ができない政治家であるとされている。

現在の菅首相が、あまり支持率が上がらないのは、マスコミの言動に流され、また小池百合子都知事などに決定を左右されていることから「頼りない」とされているのである。では、小泉大臣はどうであろうか。

 このままでは「首相候補」などといわれ、人気があった小泉進次郎が馬脚を現した形になってしまっている。まあ、それが実力であり、マスコミが持て囃す人々が実力がないのは、今までの通りなのであろうが、小泉大臣からすれば、「しっかりと政治を行う政治家」に脱皮するために、今何をすべきかを考えるべきではないのか。