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コロナ禍が促す人類の新陳代謝

2021.03.16 00:02

災厄が改善を促す

コロナ禍というと負の面が前面に押し出されるように報道されます。人間の生死に関わること、生活に支障がでていることなので、当然と言えば当然です。同病相憐れむ、と言うように、同じような塗炭の苦しみを経験する人がいることで慰め合うこともできるのです。現状を嘆いても仕方ないので、考えるべきはこれからどうするかに尽きます。歴史上、こうした大きな転換点が人間の生活の無駄をそぎ落としていったのではないでしょうか。

日本こそ変わるチャンス

特に日本のような周囲との迎合を主とする国では、一人で改革を行うのは非常に困難です。「こんなご時世だから」を合言葉に、色々な悪弊がそぎ落とされていることをご存知でしょうか。過剰な接待、対面交渉の強制、深夜に渡る残業、満員電車での通勤etc... よく見れば効率的、悪く見れば機械的に人間が動くことで時間に余暇を生むことができるようになりました。今まで当たり前とされていたことの価値観を根底から崩せる機会というものはそうそうありません。(日本でいえば、望まずとも1945年の敗戦で多くの伝統的価値観を失いました。)これを契機に、時間を何に使うのかを今一度考えてみてはいかがでしょうか。


報道されない貧困世帯

コロナ禍で生命線を断たれた人は非常に多いです。オリンピック関連や飲食業はまだマシです。国や地方自治体の目に留まり、融通をきかせてもらえているからです。本当に貧しく困っているのは、家にいることができずにアルバイト暮らしをする中高生、子どもを抱えたシングルマザー、派遣社員として働く独居成人たちです。各々の詳細は割愛しますが、彼らにすら自己責任論を振りかざす人は多くいます。まるで彼らが社会から排除されることを願うような口ぶりの人もいます。そして、批判する人は分かっていないのが、ピラミッドの最底辺が抜けたら、次に底辺になるのは中間にいる自分たちということです。

私はこうした、社会から弾かれそうになる人や弾かれている人々の中で、自力で戻れる人を援助する活動をしています。もう戻れない人は、専門の福祉機関の範疇と考え、「機会さえあればまだ飛べる鳥」に風を送ることを目指しています。上からロープで引っ張るのは簡単ですが、そのやり方は彼らが牽引されることに依存してしまうので自立できません。彼らが自立するまでの手助けをするのが、私の考える社会貢献です。


時間の有効な使い道

昔から見識を深めるには旅と読書が良いといわれています。コロナ禍で海外には行けないので、いま勧めるのは読書です。オンラインによる移動時間の節約、飲み会の減少、在宅ワークによって、少なくとも一日一時間以上の時間的ゆとりが勤め人には発生しています。その時間を、少しでも今まで見なかったものを見る時間に費やしてみてください。上記の貧困層の話は一例ですが、こうした社会の闇、政治の腐敗は知ることから改善できるのです。

NetflixやAmazonPrimeも楽しいものです。スマホでも観れるので、隙間時間にも楽しめる最強の娯楽ツールに成り得ます。もし、あれが手元にあったら私はその誘惑に勝てないでしょう。だから、絶対に入会しないようにしています。最強の時間泥棒には勝てないので、そもそも戦いません。


人類の新陳代謝とは

無造作に積みあがった積み木の山を一度崩してより良い形に組みなおすように、人間社会もどこかで一度壊す必要があります。東京の都市計画が良い例です。無造作に乱立させた高層ビルが太平洋からの風を遮断し、コンクリートで塗り固めたことでヒートアイランド現象が起きています。不謹慎な例えですが、あと数十年の間に起きる関東大震災が起きない限り、都市計画の再編はできないでしょう。

戦後の高度経済成長期に、特にバブル期に作られた「24時間働けますか?」精神で疲弊する現代の若者、先述したような酔い潰れることを良しとする飲み会、残業している人を讃える社風、こうしたビジネス面の悪弊は漸進的な変化からここにきて急進的に変化を求められました。家庭で言えば、家にいないことが当然だった父親の居場所、学校に任せきりだった子どもの養育時間、家事の分担など。国民の我慢の上で成り立っていた戦後日本の慣習に、風穴が開いたのです。これほどチャンスが眠っているタイミングはそう巡ってくるものではありません。この時流にのって、リスクを気にしてできなかったチャレンジを考えてみてはいかがでしょうか。

「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」という言葉があります。こうした時代の転換点には必ず新しいニーズが生まれてきます。安定安心と言われていた業界が崩れ、新興業界から頭角を現すものが現れます。政治の世界も民主主義の破綻が見え隠れし始めています。これからの時代の変化を安寧と眺めている手はないでしょう。