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肩の痛みの続き3

2021.03.16 21:51


七物降下湯は、大塚敬節という日本の大家が編み出した処方で一般的には高血圧の漢方薬というイメージがあります。案外、後から作られた漢方薬もあるんですね。

生薬がベースになっているので、組み合わせで名前が変わってくるというのは面白いです。全く同じ生薬構成なのに一つの生薬の分量が多い為に名前が違う漢方薬があるというのも面白いところです。


七物降下湯は、四物湯という基本方剤を中心にして鎮痙・鎮静作用の強い釣藤,虚証向けの黄耆 清熱、健胃作用のある黄柏が加えられている方剤です。 

釣藤に高血圧を下げる作用があるので、それが一般的になったのかもわかりませんが、理血作用のある四物湯が基本にあるので、もっと幅広く使える方剤なのではないかとも思います。 また、血圧を下げる作用はそう強くないという話しもあります。 


頭部の血流を改善する作用もあるみたいで充血や目にも作用するようなので、目と腕の関係からもこの方剤は適応かもわかりません。 かなり腹部の緊張は強かったので、手に持っただけで変化することには、ご本人もかなり驚いておりました。

肩の痛みであるのにもかかわらず、上腹部の異常や胃腸の調子、頭部の血流改善が関係していたというのは本当に面白いなと思います。

漢方薬を手に持たせるテストは、その人の異常の質を把握するのにとても効果的なことがわかります。


この方剤の関係性から言うと、陽明に滞った心窩部の異常と理血作用のある七物降下湯の作用で上部の充血を取り去ることで胃腸の調子が改善し、体調が良くなる方向になったということです。 

肺の異常が肺だけでなく免疫疾患時にあらわれる左腹部の緊張があり、それを取り去るのに、上部の充血や胃腸の異常をなくす必要があったのではないかと推察できます。 


もちろん、これが全てだと言っている訳ではないですが、一つの突破口になれば良いと思います。通常の鍼灸院に行って、このような話しにはならないし、もちろん、肩の痛みで整形外科に行っても問題が解決しないのは間違いないでしょう。