JR九州 筑肥線のホームドア
JR筑肥線の始発駅で福岡市地下鉄空港線と接続する姪浜駅には、2004年度にホームドアが整備されました。しかし同駅は福岡市交通局の管轄なので、一般的にJRグループ在来線では初のホームドア設置駅という扱いではありません。
その後の2017年11月、業務用鉄道シミュレータの開発などを手がける株式会社音楽館の代表取締役社長でミュージシャンの向谷実氏が考案し、音楽館と日本信号によって共同開発された「開閉バー式軽量ホームドア」(以下:軽量型ホームドア)の実証実験が筑肥線の九大学研都市駅にて開始されます。事実上これがJR九州管轄の在来線駅としては初のホームドアとなりました。
そしてこの試験が良好だったことから、2021年3月13日のダイヤ改正にあわせて、筑肥線下山門駅~筑前前原駅間の6駅へ軽量型ホームドアが本格導入されました。これにより姪浜駅~筑前前原駅の全駅でホームドア整備が完了し、同時に同区間ではワンマン運転も開始されました。
ホームドアの概要
先行導入の九大学研都市駅と本格導入の6駅でホームドアの仕様に大きな変化はありません。しかし、本格導入駅は元々ワンマン運転の開始が前提だったため、車掌向けの設備は当初から設けられていません。
九大学研都市駅
下山門駅~筑前前原駅
姪浜駅
ホームドアの開閉方式
2021年3月13日以降のホームドア開閉方式は、トランスポンダによる送受信で車両ドアと連携する方式となりました。姪浜駅~筑前前原駅間ではワンマン運転も開始されたため、ドア開閉操作は運転士が行います。
3月13日以前の九大学研都市駅では、車掌が直接ボタン操作でホームドアを開閉していました。また、地下鉄線内のホームドアは以前からトランスポンダ式連携での開閉でしたがが、姪浜駅ではJR側の発着時に限り連携せず、車掌の操作で開閉していました。この2駅も現在は連携化されています。
ただし、筑前前原駅において、ホームドアとの開閉連携に非対応の103系3両編成や、連携に対応している6両編成でも同駅以西の車掌が乗務している列車では、乗務員が手動で開閉しています。