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210309 「琥珀の大地に学ぶ」ジオパーク研修&ジオ交流ツァー開催!

2021.03.17 12:34

 三陸ジオパーク北部ブロック久慈地域の宝~琥珀の大地に学ぶジオパーク研修&第2回ジオ拠点交流ツァーが開催されました。


主催:

三陸ジオパーク推進協議会

三陸ジオパーク北部ブロック会議

北三陸大地の恵み·ジオパーク推進連絡会


後援:九戸歴史民俗の会 


協力:

くんのこほっぱ愛好会

北三陸認定ジオガイドクラブ

いわて復興応援隊久慈事務所


 新型インフルエンザの影響もあり、ジオパーク活動を地域の皆さんに広く呼びかけ出来ない現状、琥珀に関心をもつ地域の方、ジオパーク関係者・ジオガイドなど16名の参加で実地研修&ジオ交流ツァーを実施できました。


 3月9日(火)久慈市役所前発着で久慈市~野田村の「くんのこほっぱ」=琥珀採掘場跡・標柱や久慈琥珀博物館などを訪ね、琥珀採掘の地域史、琥珀を産する久慈層群・種市層群などについて思いを巡らしていただきました。


*白亜紀後期久慈層群・種市層群=約7200万~9000万年前

 久慈市夏井町鳥谷の「くんのこほっぱ跡」標柱を確認、琥珀採掘場所や一世を風靡ふうびした櫛桁善兵衛「善兵衛御殿跡」、東洋琥珀興業アンブロイド製造圧熱炉、故佐々木幸吉と久慈市指定文化財およそ20kgの琥珀大団塊など数多くの琥珀物語を紹介!


写真いわて復興応援隊久慈©町田恵太郎

 久慈市枝成沢・碁石集落入口に建つ「碁石こはく村」案内板~解説は、愛称「Goishi Yankee!」です。写真©Shima


 江戸時代小判の焼付?塗料に琥珀も使われたと言います!

 碁石集落の琥珀棟梁·故碁石宗一氏が所有していた琥珀採掘用の片ツル。碁石・枝成沢からは碁石大蔵など名の知れた採掘師が出て、久慈エリアの琥珀や金銀・マンガン鉱探掘に活躍したという。©くんのこほっぱ愛好会

 碁石大道のすり鉢状ほっぱ跡を覗く皆さん。©町田

 3月9日今日のコース「くんのこほっぱ跡」標柱は、このほか久慈市夏井町川代、宇部町地京沢、野田村米田地区に設置されています。©GSI Maps₋Shima

 連続テレビ小説「あまちゃん」∼「琥珀の勉さんと水口」を語る~可愛すぎない海女!


 「語れ!」∼ジュンちゃん、無茶ぶりに良く応えてくれました。ありがとうm(_ _)m!

 写真©町田

 奈良·平安時代の琥珀玉作工房趾と目される「中長内遺跡」案内板。R45久慈バイパス

©町田

 昭和の発掘調査にあたった久慈市ジオパーク研究員・佐々木和久氏。写真©町田

 3月9日 「琥珀の大地に学ぶ」ジオ研修&第2回ジオ拠点交流ツァー参加者の皆さん


*写真撮影提供、©三陸ジオパーク北部ブロック事務局:中村武志・久慈市観光交流係長

 お昼は「くんのこ」お弁当~レストラン2Fで美味しくいただきました! ©町田


新緑ツツジ咲く頃の久慈琥珀博物館~写真©Shima

 久慈琥珀博物館・滝沢利夫氏より歓迎と話題提供をいただきました。

 

 この後博物館近くの長内川支流域で早大「平山調査団」と共に発掘調査に当たる佐々木和久ジオパーク研究員より、これまでの恐竜化石など各種古生物について語っていただきました。 photo©Shima

 2008年久慈琥珀博物館琥珀採掘体験場で佐々木氏が発見~古代カメ「アドクス」の完全に近い甲羅。


 白亜紀後期では国内初、アジアで3例目!

 デーリー東北 2018年4月27日記事



*2021年1月、早稲田大学国際学術院・平山廉教授が新種として連名の論文発表!


オンライン国際誌:International Journal of Paleobiology & Paleontology₋「Adocus kohaku, a new species of aquatic turtle (Testudines: Cryptodira: Adocidae) from the Late Cretaceous of Kuji, Iwate Prefecture, northeast Japan」

 断面がD型を示し「肉食恐竜ティラノサウルス類」と国立科学博物館·對比地博士鑑定の歯化石も琥珀採掘体験場から発見!

 ©久慈琥珀博物館₋Shima

 ©みはらあきら画-久慈琥珀博物館蔵


 寛政2年(1790)五戸~八戸~大野経由で野田玉川の西行屋敷跡や小久慈日陰琥珀山を訪ねた高山彦九郎。


 赤川周辺の琥珀産状を「北行日記」に詳しく記しています。©Shima

 京の公家たちと交流のあった彦九郎は、現地現物を見なければ止まない気持ちを抱えていたようです!


 久慈に五泊もする程、琥珀に魅了されていたのかも知れない! ©GSI Maps₋Shima

 ジオ研修&交流ツァーの最後は、久慈層群が南南西に走行する、風光明媚な景勝「十府ヶ浦」の玉川・土内くんのこほっぱ跡案内板前。


 久慈層群の位置やカキ化石産出状況~浜端の約7000年間に渡る「津波堆積物層序」を観察して研修終了! ©町田


©くんのこほっぱ愛好会_久慈市地域コミュニティ振興事業助成


©シームレス地質図₋Shima



◯久慈地域は国内唯一の琥珀採掘・加工・流通可能な地域として有名。


 久慈の琥珀は地域の宝~日本の宝!


 ヨーロッパ·バルト海沿岸地域、ドミニカ、ミャンマー(ビルマ)などと並び世界有数の琥珀産地。



◯北海道では1万4000年前とか2万年前の旧石器時代遺跡から琥珀製品が出土(サハリン琥珀)。    


 久慈産琥珀は縄文時代前期・中期(約4000~6000年前)本州の遺跡から出土。



◯古墳時代~島根県松江市鹿島町の奥才古墳群第34号墳から琥珀勾玉、奈良東大寺大仏の足元から出た琥珀鎮壇具など、本州東西の古墳や遺跡出土琥珀が「久慈産」と発表されている。


 京都大学・室賀照子名誉教授、元興寺文化財研究所・植田直美博士等の研究。



◯盛岡藩主南部利直が将軍徳川家康に「薫陸」=和の琥珀を直接献上する。(聞老遺事)


 高山彦九郎が寛政2年(1790)久慈に五泊、小久慈日陰赤川など「くんのこほっぱ」=琥珀採掘場を訪ね「北行日記」に詳しく記す。



◯明治維新後も採掘が継続され、「善兵衛御殿」の櫛桁善兵衛や碁石大蔵など地元の有力採掘師や理研琥珀工業、東洋琥珀興業などが大正時代~終戦時まで大量の琥珀を採掘、軍需物資として出荷される。


*故佐々木幸吉が櫛桁善兵衛より購入という「鳥谷産琥珀大団塊」=約20㎏を久慈市に寄贈、市指定文化財となる。



◯太古の時代から採掘されてきた久慈の琥珀(薫陸)、ほっぱ跡現地を観察し地理地形を学び、各種資料や書籍など確かめながら、それぞれの琥珀物語(ジオストーリー)を作って欲しい!


 3月9日三陸ジオパーク北部ブロック研修&ジオ拠点交流ツァーの目的は、現地現物を自ら確かめ知識詰込みに偏らない学びが目的!



 またいつか「琥珀の大地」について意見交換したいところです!


(三陸ジオパーク北部ブロック構成団体~北三陸大地の恵み・ジオパーク推進連絡会、北三陸ジオガイドクラブ所属:島川記)


*今回掲載できなかった場所などは、後日ご紹介とします!