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複合化で地域に受け入れられやすい給食センターを――令和3年度第1回市議会 文教社会常任委員会 (後編)

2021.03.17 14:53

3月11日に開催された、市議会定例会の文教社会常任委員会で、中学校給食センター整備事業についての議論が行われました。関連箇所のみ、若干ダイジェストでお伝えします。後編は、行政報告「新たな中学校給食の提供方式について」(答申の内容と、教育委員会の承認を経て決定した市の方針:画像)に関する議論です。

議会録画から書き起こしたもので、正式な議事録ではありません。

3:25

松岡みゆき委員(自由民主党):

食缶形式では学校にコンテナやスロープが必要になるが、どのような形で子どもたちの手に届くのか、わかりやすく簡潔に教えてほしい。


保健給食課長:

給食センターで大量調理した給食を、温かいものを温かく、冷たいものは冷たくという形で食缶、保温ができるような食缶を使って各学校に必要食数を運び出すことを想定している。

給食センターからトラックでコンテナを積み込んで、各学校を巡回する形で配布し、各学校ではスロープなどを整備したうえで、中学校の校舎内にそれらを引き受けることで考えている。教室まではどのように運ぶかについてはこれから協議するが、現段階では、小学校と同様に各教室に運ばれた食缶を各教室で生徒が配食をすることを想定している。


松岡委員:

まだ先のことだが、学校によってスロープやエレベーターが必要となったり、第二の問題が出てくるので、そのあたりも構想を練っていかれるかと思う。次に、食物アレルギー対応はどうなさろうとされているのか。


保健給食課長:

現行方式では食物アレルギーの対応ができていないが、これを解消していくためのひとつとして、給食センター方式としている。1つのセンターから何校に配送するかはまだ決まっていないが、アレルゲン除去食を各学校に必要数配送していく形と思っている。

食物アレルギーには極めてたくさんの種類があり、大量調理の中で全てに100%対応するということはほぼ不可能であろうが、主要のアレルゲン食材については除去食対応が必要と考えている。

アレルゲン食材を除去することについては、決して食材が混入しないようにすること、製造段階で混入しないこと、配送から生徒の喫食に至るまで間違って食べてしまうことのないようにという形で管理は徹底していきたいと考えている。


松岡委員:

食物アレルギーの生徒さんには、一歩間違えば命にかかわる問題なので、大変だとは思うが努力してほしい。除去食でも対応が難しい場合は自分でお弁当を持ってこられると思うが、そのへんもサポートをお願いしたい。

また、給食センター方式のメリットは何といっても、災害時にきっとこのセンターが炊き出しや備蓄の対応ができるのではないだろうかと想像するが、そのあたりは。


保健給食課長:

想定の中での答弁になるが、災害時に炊き出しなどが必要になったときには「給食センターの持つ機能の範囲において」ということになろうかと思うが、対応ができたら地域にも受け入れられやすいのではないかと考えている。


松岡委員:

いつ何時、直下型地震が起こるかも知れない昨今。4-5年先ではあるが想定に入れての給食センター方式と考えている。いろいろ調べてみると、給食センターは全国各地でもどんどんつくられていて、先程(前編参照)学童保育クラブの話があったが、夏休みや春休みなど長期期間のときに給食センターが、安い価格で児童に昼食を提供をしている自治体もある。高齢者の方々も学校に集めてふれあいとか。さまざまなところでセンターの果たす役割が大きいと考えるが、そのあたりの認識はあるか。


保健給食課長:

どういった機能を持たせて複合化した施設にしていくかというのは、来年度、基本計画の中で考えていく。

給食という言葉を使ってしまうと、学校給食法や衛生基準に照らしてという話になるが、今委員がおっしゃったような部分は給食というものではなく、給食センターの機能を活用した別のスタイルの食の提供かと思う。どういった形で運営をしていくと喜ばれるような施設になりうるか、いろいろなことを考えて決定していきたい。


松岡委員:

先々のことだが、3カ所に分かれているということは、栄養士とか、直営か委託かとか、そういった問題はどのように考えておられるのか。


保健給食課長:

来年度の計画の中で考えていくということでしかお答えができないが、実際には、必要な関係職員の配置などは決まりがあるので、それらに照らしながら設定をしてまいりたい。


松岡委員:

センター1つに25億円とか、相当の予算がかかる。だからできるだけメリットがあるように、例えば町田市は農業を営んでいる方がいらっしゃるので食材の地産地消とか、あるいは農協との連携とか、そのあたりはどうか。


保健給食課長:

現行給食においてはあまり地産地消という形で進めていない。給食センター方式に切り替えることで、地産地消にも貢献できるのではないかと考えている。


松岡委員:

さまざま聞いてきたが、この「全員給食・食缶方式・給食センター方式」の導入ができるようになったことを周知しなければいけないと思うが、周知方法をどのようにしていかれるのか。


保健給食課長:

具体的にはいろいろ検討しながらと考えているが、ホームページや広報紙を通じて「給食センターの方式になっていく」とか、具体的な稼働年度等が明らかになってくる段階までには、随時、必要な情報は提供してまいりたいと考えている。


松岡委員:

保護者のかたが待ちに待った給食がきちんとできるということで、これから大変だと思うが、さらにご努力をお願いしたい。


斉藤かつひろ委員(公明党):

1つめの給食センターは2024年度稼働ということで、残りの2つは、例えば相原のほうにある武蔵岡中学、ゆくのき学園など柔軟な対応を求めていきたいと思うが、そこについてはどういう方針で検討しているのか。


保健給食課長:

やはり早期の実現というところが一つの大きなポイントであり、まずは1カ所目のセンターの実現に向けて取り組みたいと考えている。ゆくのき学園については、小中一貫の大戸小学校で作っており、小学校給食と同じスタイル。親子方式か、あるいはそもそも自校方式かというような見方になろうかと思うが、そこは給食センターで配食していく対象とは考えていない。


斉藤委員:

学校施設再編の話も絡んでくるので、最終的にはどういったことになるのか見守りたいと思う。答申の内容を受けて基本方針を決めていく中で残りの2カ所について、ゆくのきを外して検討していくということなのか。


保健給食課長:

委員のおっしゃる通りで、給食問題協議会に諮問をした段階でも、ゆくのきを除いた中学校19校のというスタイルで検討を始めた。


斉藤委員:

なんとか時期的にそう遅れずスタートすることを望んている。土地が一番のネックになると思うが、遅れずに検討を進めていただきたい。


戸塚正人委員(まちだ市民クラブ):

基本方針の部分で、「給食センターを災害対応や地域貢献に活用」と書かれているが、どんなイメージか。


保健給食課長:

災害対応については先程も触れたが、有事の際に必要になったとき、そこで食の提供ができるようなスタイルが取れればいいと考えている。地域貢献というのは、給食センターは食事を作るという機能をもっているので、地域のかたに例えば食べに来ていただく、あるいは車を使って配食していくとかなどがイメージされる。どういった形で複合化になるかというのは、3つのセンターがもしかするとそれぞれ違ったスタイルになるかもしれないが、今申し上げたような基本的な考え方は、3カ所それぞれにあてはめて考えていくことになると思っている。


戸塚委員:

今の話だと、センターの機能を使って配食をしていくという形の想定なのか、施設自体を食の提供の場所にすることを想定もされているのか。また、非常時に機能できる施設ということなので、市役所やその他の公共施設と同様に、独自の電源やガス、水道などが災害時でも機能できるものを備えておく前提か。


保健給食課長:

災害時については、そこで機能しなくては意味がないため、どういうスタイルをとるかということをこれからの計画の中に盛り込む。委員のおっしゃる対応も視野に入れて検討する。

それから食の提供についてはあくまで想定の中であり、今、どちらのスタイルでできるかとか、あるいはもしかするとその地域によってはどういうものを望まれるかというものによって変わってくる可能性もある。そうした選択肢を描きながら、具体的なところを詰めてまいりたいと考える。


戸塚委員:

普通の民間の給食業界だと、それぞれ病院や高齢者施設などの厨房同士で代行保障というか、災害時や食中毒発生時に別の厨房から派遣できるような形で行うこともあるので、そのへんを想定して入れていただければなと思う。

それと今回3カ所整備を想定していて、本会議の答弁だと「基本的には市有地を使う」ということだった。今は公共用地はそんなに広く確保しづらいので、バランスよく各エリアで3つあればいいが、ひとつは忠生でほぼほぼ検討に入るということだが他の2つもバランスよくあるのかなと思う。そのへんの見解は。


保健給食課長:

おっしゃるようにそう簡単に候補地が特定できるわけではないが、今どういう条件のところがどれだけあるのかというところを調べ始めている。それが確定してくれば、3カ所それぞれの計画を立て、実施に向けた動きをしていきたい考え。


戸塚委員:

例えば、他の2つのエリアになかなか市有地が見つからずバランスよく配置ができなさそうな場合、どちらかが広いエリア、どちらかが狭いエリアに配食すればいいというふうになると思うが、そのように施設の規模も考えていくのか?


保健給食課長:

基本的には今おっしゃるような考え方になろうかと思う。「4000食相当で」という言い方をしたのは必要食数を1万2000食と考えているので、その3分の1という意味。バランスよくこちらが望むような場所で建設が必ずしも限らず、それぞれの給食センターの受け持つ学校数が変わってくると考えている。

実際にさっき「地図の上の円をずらす」という話があったが(前編参照)、結局作ってから食べるまでの時間は、温かいものであっても「2時間で提供することが望ましい」という決まりの中で動いているので、その円の重なってる部分あたりで受け持ちが変わってくるなどの可能性はあると考えている。


戸塚委員:

これから基本計画を作っていくにあたり、策定委員会のような組織を作ると思うが、人員はどのように選定していくのか。


保健給食課長:

具体的に保健給食課がわかっている範疇というか専門的な部分は限られている。例えば土地に関しての用途のこと、実際の運営方法、そもそも複合化にどういう事業体を打ち込むのかなどの辺りで、考えられるところのメンバーを集めてそれぞれに検討が必要と考えている。

全体的にかかわってくると思うが、先行している自治体の具体的な事例など、参考にできるものは取り入れていこうと考えている。


殿村健一委員(日本共産党):

災害対応、複合施設としての位置づけが述べられているが、基本というか、メインは学校給食法に基づく学校給食ということでいいのか。


保健給食課長:

おっしゃるとおりで、基本的に中学校の給食を充実させるために建てるところから始まっている。

それから炊き出し云々ということについては、当然そういった機能が求められている状況では学校教育が中断されてしまっているようなことも想定されるが、災害が収まってくれば当然学校教育を再開していくのが一番大切なところという共通した考えがある。まずは給食を再開していくところになろうかと思う。給食を止めたままで、地域の方に向けたものを優先するかどうかについては、教育が優先ではないかと考えているところである。


殿村委員:

そこが重要ではないかと思う。そのうえで当然、人員配置については、通常のときはもちろん学校給食法に基づいた人員配置になるだろうが、臨時の事態についてはどうするのかという点は今後の課題なのか。


保健給食課長:

そのように考えている。調理がどうするかなど、運営方針については、有事の際にも当然対応ができるような仕組みを作っていくためには人員体制の中でどういうことが必要なのか、計画の中であわせて考えてまいりたい。


おんじょう由久委員(公明党):

基本方針に、「全員給食、食缶形式、給食センター方式」、「災害対応や地域貢献」「市内に分散してセンターを」と3つあるが、現実的には、一番効率的に早期に実現しやすい方針ということで話をしてきた。このなかで、例えば複合化についてみると、中学校給食が軸だが、災害時の食の確保は必要か必要でないかといったら必要で、高齢者や学童に提供することも必要。これらを一緒にやることで、かなり合理的に前に進められるという経緯だろうと認識している。既存のゆくのきなどは置いておいて、これから作るところに関しては、例外なくこの3拠点でカバーできるよう実現を目指す。それは大前提で、進めるうえで例外が出てしまうときは、親子方式みたいなものがあったり、あるいは3.5カ所的なものを作るのか。これは結果的にはありうるが、今平等にこれから新しいところは全部同じ条件で給食をとってもらう、そこのところをしっかり持って行かないと、ぶらぶらしてしまうんじゃないかなあというふうに思う。


保健給食課長:

先ほどその地域によって異なるというようなお話をしたが、複合化していく機能が必ずしも同一ではないという想定をしているので、そのあたりが変わってくるのだと思う。基本的な考えでは、おっしゃるとおり、給食センターはぶれずに進めていきたいと考えている。


おんじょう委員:

承知した。付加機能はいろんな要素が出てくるので柔軟にやればいい、最終的には全体をカバーすることが目的なので、設置のありかたそのものも柔軟な対応が必要だと思う。まずは現段階においては、一番合理的効率的な、市民にとってよいところをめざして、早急に整備を進めていただければと思う。


(了)