経団連が『S5 時代の学びⅡ』を公表、対象は幼児から社会人の全世代へ
【教育報道】 経団連(代表理事:中西宏明)は、令和三年三月十六日に『Society5.0時代の学びⅡ』を公表した。副題は「EdTechを通じた自律的な学びへ」。
「今後求められるのは、自ら関心を広げ自発的に学ぶ、多様性を重視した自律的な学びである。」と断言。 これを実現する為にEdTech(教育*技術)とDXを必要とする。経団連は初等中等教育に対して提言を行っている。だが、今回の提言での対象は、幼児から社会人にまで拡大した。
新たな自律的な学びのキーワードは以下の四点。
- パーソナライズ;個々人の興味や習熟度に応じて最適化された学び
- シームレス;何時でも何処でもどの環境でも繋がれる学び
- ダイバーシティ;多様な価値観が交わり、多様な選択肢から選べる学び
- クリエイティブ;好奇心くすぐる観察と探究により価値を協創する学び
この新たな自律的な学びにより、育むべき能力や資質は協働力・コミュ能力・自己肯定感・好奇心・問題発見能力・洞察力・プログラミング的思考力・技術活用力・問題解決能力の九点。
<産業*教育=人生昇華社会>
EdTechに関して「従来の学習法の限界を打ち破り、自律的な学びの環境を形成する。」と熱い。具体的にはAIドリルを活用した問題演習、海外の学校とのオンライン授業と探究型学習での実験・分析を挙げる。学習におけるオンラインとオフラインの調和も求める。
DXに関して「企業・ 産業界は教育現場の伴走者として、あらゆる学習者の学びに対するリソースの提供と企業人材に関わる制度・方針の見直しを行う」。学びのためのハード・ソフト・人材提供、校務・働き方改革支援、児童・生徒との直接交流と人材戦略の見直しとリカレント教育の推進を挙げる。
企業以外の教員・学校、国・地方公共団体、地域・家庭についても提案した。
これらを推進する為、以下の環境整備を整えたい。
- データ活用のグランドデザイン及び目的・原則の明確化
- データ連携・活用
- 個人情報保護法制上の課題の解決
- 児童・生徒の端末と通信環境
- 学習教材・アプリ・コンテンツ
- 教員端末の利用制限・研修支援
- 外部との連携
以上より、経団連は企業・学校関係者と連携し、EdTech学習プログラムのプロトタイプの形成を検討していきたい。今後、日本の大企業群を筆頭に教育業界と混ざり合っていく。「教育」というカテゴリは、子ども達だけの時代から全世代を対象とする人生の礎に昇華していく時代へ移り始めている。
文字修飾:FPhime、スライド:Society 5.0時代の学びII/㈳日本経済団体連合会