アフガニスタンボックスカメラ、改修の記録 〜 前編
今回の愛知県瀬戸市のtalo-Kさんで展示中のアフガニスタン式ボックスカメラの
改修がおもしろかったので、記録を少し記します・・。
この状態は2014年末、名古屋市大須のモノコトさんでの展示に作ってすぐの状態。
仮に第1形態とでも呼ぶことにします。
この時は形は出来て、ピントも合わせることが出来て、撮影も可能、だったと
思うのですが、写真に詳しい方から「きっとこのままでは遮光が不十分」との
ご意見もあり、印画紙無駄にするかなぁ??とか思いこの時は撮影断念。
前に垂れてる複写用のアームもピント距離から考えるとちょっと短かったか?って感じ。
・・・そして、そこから時は過ぎ。。
2016年初秋、talo-Kさんでの展示が決まったとき、talo-Kさんから
『あの作られていたボックスカメラで、撮影会をやっていただきたい!』
という申し出がありまして。ちょうど展覧会のテーマが「箱」でしたしね。
このカメラも家で所在無さげに転がってるだけだったので、こんなチャンスは
逃してはならぬと、この際大幅にリファインすることにしてみました。
実際カッコだけなのか?そうじゃないはずだろ?って意地もありましたしね。
で。
まず取りかかったのは光漏れ防止の遮光の作業。
箱の合わせ目にはスポンジが張ってあって遮光の役には立ってるのですが、
以前写真家の方からアドバイスをいただいたように箱の合わせをホゾ的に
加工追加してみました。
・・・改造、楽しいなぁ。
そして、こんなのフタしちゃえばまったく見えない地味なとこなんですけども
箱内部のピント機構、フィルム設置板などはこの際、新造。
第1形態の時はすべて木で作っていたので、湿気などの影響で引っかかりや
変形がありスムーズに動かなくなることがありまして。
なので今回は各要所に金属部品を配置。湿度温度で影響ないように作り直しです。
それから、ピント覗き穴、作業用腕入れ窓も再度枠を組んで遮光性を高めます。
組み込んでこんな感じに。
左に見えているのは単1電池ボックス。
現像時の赤い照明を模索している頃です。
結局、現像作業時の照明はLEDライトを組み込むことでクリア。
光の前にセーフライト用の赤い板を設置しています。
そしてtalo-Kさんでの展覧会がスタート。
ここで仮に第2形態としてのボックスカメラが完成しました。
そうそう、三脚部も実はだいぶ直してるんですよね。
強度、角度などを微妙に修正。 だけど見た目では、何も変わりません。。
そして、展覧会の搬入時にちょっとテスト撮り。
遮光面では合格。よしよし。撮影も出来ることが証明されました。
が!! このシステムは
1回目に撮影→現像→ネガが出来る
2回目にそのネガを再撮影→ポジとして写真の形になる
というものでして、あれ?なんか再撮影時の写真が大きく撮れない。。
なんてことに気づきまして。
結局展覧会初日の次の日は会場がお休みだったので、また作業場に持ち込み改修することに。
あぁ、俺なにやってんだ。
でも、実はどうしたらこれをクリアできるかが解ってしまったんだよな。
そう思ったら、そこ通らずに避けてなんて進めないタイプの人間な訳ですよ僕は。
才能無いヤツは時間をかけろ。
かける時間の無いヤツは睡眠時間削れ。
これは誤解されると困るのですが、世間一般に言う
『頑張る』
とかではないのでそう呼ばないように。
やれ、と僕の魂が叫ぶからやるだけ。
自分が納得したいからやるだけ。
自己満足したいからやるだけ。
でもその満足ってのは自分が嬉しいってのでなくって
観に来てくださった方々の嬉しい顔が見たいって貪欲な意欲なのだけど。
その点、talo-Kさんとお話ししてたらお互い同じようなこと考えてることが
わかりまして。 じゃ、やれ。やるよな?!ってことになるわけですな。
中編に続くよ。