みちのくの緑は蕗の薹よりぞ
http://yasumasa.jp/2020/03/26/post_4540.html 【みちのくの緑は蕗の薹よりぞ】 より
福田蓼汀(1905~88)
蕗の薹が春の季語。春の蕗、蕗の芽、蕗の花なども同意の季語です。
蕗の薹を摘んで食べるとほろ苦い風味があります。味噌にすりこんで入れたり、てんぷらにすると春の食卓が一層楽しくなりますね。キク科の多年草。雪解けを待ちかねたように、緑色の花穂を土の中から出します。キク科に属していますが、その外側は大きな薄緑色をした葉に幾重にも包まれています。蕗の薹に出会うと春のなったと思いますね。古代から食用に供されていますが、江戸時代になって俳句で多く取り上げられるようになりました。
この句では、ストレートに、みちのく地方の春は、蕗の薹の緑から始まる、と詠っています。今年で9年目を迎えた11日の東日本大震災記念日は、新型コロナウイルスに影響されて寂しいものとなりましたね。
作者ふくだ・りょうていの紹介は、2005年3月10日を参照。
(出典:「蝸牛 新季寄せ」、蝸牛社、1995年刊)
・「東京が危ない」。一部のマスコミは、新型コロナウイルスが、都内の繁華街にある夜間営業中心の飲食店で、クラスターと呼ばれる感染者の集団が発生している模様と報道しています。世界で感染者が40万人を超え、亡くなった方は、イタリアで7500人を超え、スペインでも3400人にのぼっています。すさまじさに呆然としますね。
Facebook・言の葉の風景 投稿記事 ·
大寒の初候、欸冬華(1/20-24) 晩冬 第70候 蕗=欸冬(かんとう)ともいう。
欸(カン、アイ、なげく)はたたくの意。 冬に氷をたたき破ってはえるので欸冬。
蕗の薹が咲き始めるころ。花の少ない大寒の頃を代表する花。
蕗の花。蕗の花茎は蕗の薹(フキノトウ)とよばれます。
雪かき分け見れば春なり蕗のとう (朝倉静子)
古くは「フフキ」「冬吹き草」とよばれていました。
キク科なんですね。大きな苞に包まれて、さながら早春の妖精?
雌株と雄株があり、雌株に咲く花は白、雄株に咲く花は萌黄色の花茎をもたげます。
春も欄(た)けたころは30cm余りに伸びて「蕗のじい」「蕗のしゅうとめ」と呼ばれます。
みちのくの緑は蕗の薹よりぞ (福田蓼汀)
まだ蕾のうちに摘み取って、蕗味噌、お吸い物、天婦羅、和え物にしていただきます。
苦味はありますが、その苦味がたまらなく日本酒にあいますねぇ。
蕗の薹の舌を逃げゆくにがさかな (高浜虚子)
蕗(ふき)や菜の花などの花茎が伸びきって、固くなり食べ頃を過ぎてしまう、ことから盛りを過ぎてしまったことを「薹が立つ(とうがたつ)」といいます。
転じて、人が、その目的に最適の年齢を過ぎてしまうこと。
若い盛りが過ぎる。男女共に使えますが、特に、女性の婚期について言われることがおおいです。
けど、女性に向かっていうものではありませんよ。
フキは雌雄異株の植物。花茎のフキノトウにも雌雄の別があります。
雌の方は花が終わると茎が高く伸びて、いわゆる「とうが立つ」状態になります。白い綿毛のある種子が風で飛ばされて散ります。
雄の方は余り高くは立たず用が済むとそのまましぼんでしまいます。
ここから、雌株=女性 のほうに「とうが立つ」と云われる由縁かしらね。
http://kasinhu.blog.jp/archives/21076215.html 【蕗の花咲く・款冬華さく 七十二候 第七十候】 より
七十二候 第七十候
蕗の花咲く 款冬(かんとう)華さく 新暦1月20日~24日ころ蕗の花が咲き始めるころ。凍てつく地の下で、春の支度が着々と進みます。
款冬は冬をたたくの意味。 蕗の薹(ふきのとう)は、花茎。
日を受けて開ききりたる蕗の花二つならべる二つうつくし 土屋文明
雪かき分け見れば春なり蕗のとう 朝倉静子
みちのくの緑は蕗のとうよりぞ 福田蓼汀
古くは「フフキ」。雌株と雄株があり、雌株に咲く花は白、雄株に咲く花は萌葱色の花が咲く。天ぷらや、蕗味噌がおいしい。
二十四節気を各々3等分し、一年を72等分したものを七十二候をいいます。
七十二候では、それぞれに気象や動物の短文で表されています。
中国から伝わったもので、二十四節気の名称は古代からほぼ変わっていません。
でも、七十二候は日本の気候に合うように何度も変更されています。