カップに書かれた「99」の舞台裏
こんにちは。
ブログ編集長のアキラです。
今日は9月9日。
ペーパーカップに、(できる限り) 「99」 と書いてお客様にコーヒーをご提供する日になっています。
バリスタの手作業につき、すべてのカップに書ききれていないかもしれません。
申し訳ございません。
さて、9/09に限って、なぜ、このようなことをするのか? 不思議に思っている方も、いらっしゃるかもしれません。
実は、“スターバックスのコーヒー豆の 99% が倫理的に調達できるようになった” ことをお知らせするためのメッセージなのです。
「倫理的に調達」
硬いですよね~(笑)
でも、難しそうな話だなと思って、まだ読み飛ばさないでくださいね。そのために、このブログを書いているのですから(笑)
自分が勤めている会社を自画自賛するようで恐縮なのですが、これ、実はすごいことなんだと思うのです。
コーヒー豆は、中南米、アジア、アフリカの赤道を挟んだ国々でとれます。お世辞にも、治安も、教育も、経済レベルも高い水準にあるとは言えない地域の農作物です。
貧しいから、よりよい生活を強く望み、言われるがままに森を切り拓くことを選んだり、識字率が低いから不当に搾取されたり、混乱からの犯罪が絶えなかったり。
豊かで安全な日本で暮らしている私たちには信じられないようなことが、生産地の日常には氾濫しています。
スターバックスはたくさんのコーヒー豆を買っているわけですから、「良いものを安く売ってください」 とお願いすることは、当然の要求のようにも思います。しかし、それでは、犯罪や、搾取や、劣悪な労働環境や、環境破壊に目を瞑り、すべてをダメにしてしまうかもしれないのです。
そこで、スターバックスは、理想の姿を描きました。生産者が、経済的に、社会的に豊かになる手段を考えました。
公正で永続性のある取引を行うために、ガイドラインを作って透明性を高めました。環境に負荷をかけずに美味しいコーヒーを作る研究を進めました。
胸を張って 「みんながHAPPYになれる方法です」 と言えるガイドラインを作り、その基準を満たした方法で調達したコーヒー豆の割合を、徐々に増やしていきました。
それは、生産者の生活環境をよくすると同時に、スターバックスと生産者が、美味しいコーヒーを世界中のお客様にお届けするビジネスパートナーとして、永続性のある関係を構築していくプロセスでもありました。
そして、創業から44年の月日を経て、ようやく99%のコーヒー豆を、生産者とのWIN-WINな関係のなかで調達できるところまでたどり着いたのです。
・高品質なコーヒー豆であること
・取引が透明であること
・生産者の生活がよくなること
・環境への影響が少なくなること
どれも、当たり前のことのように見えるかもしれません。
しかし、これは、日本での話ではないのです。
「治安が悪いので気をつけてください」
「持ち歩く現金は最低限に」
「価格の表示はありません。値切らないと相場の10倍くらいの値段をふっかけられるので気を付けてください」
海外旅行で訪れるなら、そんな注意事項を必ず聞かされる異国の地でのお話。
すごくないですか???
再度、自画自賛でごめんなさい。
でも、スターバックスで働いているひとりのパートナーとして、誇らしい気持ちになりますし、それは、みんな同じなんじゃないかと思うのです。
(私以外の人は口にしないかもしれませんが…。)
そして、これは、スターバックスを愛していてくださるみなさんにも関係のあることでもあります。
新しいお店を出し、新しいお客様と出逢う。でも、その度に生産者の方々の生活が苦しくなっていくようでは続きませんよね。
お客様も、生産者のみなさんも、スターバックスで働くパートナーも、みんながHAPPYでいられるために、無くてはならない取り組みなのだということを、是非、知っていただきたいと思います。
日本から遠く離れた生産地での取り組み。greenz.jp様にご取材いただいたの、よろしかったら、こちらも見てみてください。
なんで100%じゃなくて99%なんだ?…と思っている方も、よろしかったら、こちらでその理由を探してみてください。
仕事の合間に、日々の生活の節目に、リラックスしたり、気分転換したり、ホッと一息つける時間を演出してくれるコーヒー。
お客様に、自分だけの時間を楽しんでいただいたり、友人・ご家族との時間をお店で過ごしていただくことは、私たちのしあわせです。
そんな時間と、一杯一杯のコーヒーが、生産者のみなさんの笑顔にもつながっている。そんなことをぼんやりと感じていただきながら、「99」 と書かれたカップでコーヒーをお楽しみいただければ幸いでございます。