アフガニスタンボックスカメラ、改修の記録 〜 中編
展覧会初日の次の日はtalo-Kさんの定休日だったので、またまた作業場に
本体持ち込み。ここでまたちょこちょこ改修を始めます。
まずはバラせるとこバラして準備。
一度試し撮りしてわかったことの1つに、この三脚と本体をつなぐナット部分が
邪魔で、現像液のトレーが上手く置けない、もしくは引っかかって液をこぼして
しまうこともあったりして。 ここは使いにくいので即改修。
外から見ても何も変わってないけど大事なことなのです。
改修は簡単。ナット分の高さの脚をつけた底板を新造。
セットしたらこんな感じに。
うんうん、これで液を置いてもカタつくことが無くなりました。
まずはこれでよし。。
複写時に写真が小さいのしか撮れない問題。
さて、これをどうするか?と考えた時に、
もっとレンズがネガに近くなればいいやん?!
というアイデアが。。
と、言うことはレンズだけ全面に繰り出し。。
繰り出しってことは、蛇腹制作か?!
いや待てよ、複写のアームが短かったらいいだけなんじゃないの?
でも蛇腹、作ったことないなぁ。。
作ってみるかぁ!!
・・ということで、レンズまわりの加工開始。。。
中央部を四角く抜きます。ここにレンズ基部を組む感じですね。
ここで思ったこと。
『いくら次のtalo-Kさんオープンが3日ほどあると言っても、その後すぐに
ワークショップでこれ実践投入だ。こんなにしちゃって大丈夫なんか?!』って。
でも、もうこうやって切ってしまった。戻る道はもうない。進むしかなし。
まずはコバ部を黒く塗っておきまして。
いよいよ蛇腹の制作です。
僕も写真機の修理なんかを独学で始めてから20年近くになりますが、
蛇腹はイカン。アレは再生無理。作るの激難しい〜〜!!と思っていました。
しかし今回は蛇腹が要る。どうする?伸び縮みする水筒とか水タンクとか使うか?
などと考えたのですが実現化はどうも。。という感じで。
そんな時、インターネットで調べていると、
『カメラ用蛇腹の作図プログラム』というサイトをみつけまして!!
ここ、スゴいぞ!!
なんと希望蛇腹の数値(笑)を打ち込めば、PDFで図面を出してくださるというね!!
最初、なんの数値なのかわかりませんでしたが、少しずつわかってきて印刷します。
で、印刷して画用紙に貼ったのがこちら!!
これをあとは線通りに折っていけば蛇腹の完成です!!スゲェな!!
(ちなみにこの印刷分は作ってみたけど細かすぎて失敗)
2つ目くらいのトライ分。ひたすらに折り紙です。
この時は画用紙に黒いガムテープを貼ったもので制作。うんうん、なかなか
いい感じに出来てきました。
蛇腹を作りながら、レンズの繰り出し装置を用意します。
ここは写真の引き伸ばし機から部品をもらってきて、いろいろ切削して加工。
だんだんそれっぽくなってきました。
そしてレンズ周りの組み込み。なんか、思ったより上手くいって安心しました。
ここまでやって、水曜日未明。
この後、また会場に本体運んでから高校の先生仕事に向かいました。
いよいよまたオープン日です。
そしてもう1日経って、ついにボックスカメラで撮影ワークショップの日。
始まってすぐに、嬉しくなって蛇腹伸ばしてみると、バリンと全部が取れて
しまいました。うわぁ〜〜〜〜!!
でも、さすが手作り。いい経験させてくれるわ。
売ってあるものならこうはならんだろうからね。
ワークショップ体験の方もいらっしゃったので、動揺してもしょうがないので
何事もなかったようにそこらへんのもので修理。
まずは固定して置けば大丈夫なので、このあと1日はなんとか撮影できました。
で、またこの日の夜中に蛇腹修理。
超強力両面テープで付けたので、まず大丈夫だと思います。
これにて第3形態。いよいよです。
後編に、続くよ。