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EBP Research News

翻訳書『実装研究のための統合フレームワーク―CFIR―』(2021)

2021.03.18 23:00

※この記事で紹介している「翻訳書『実装研究のための統合フレームワーク―CFIR―』(2021)」は、原版は改訂版が発表されています.詳しくは下記投稿もご参照ください.

2024.02.24 07:00 実装研究のための統合フレームワーク CFIRに関する情報のまとめ

(2024/3/3追記)

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Implementation scienceへの期待が高まっていますが、implementation researchのフレームワークの1つがCFIRです.CFIRとは、Consolidated Framework for Implementation Researchの頭文字をとったもので、2009年にDamschroderらによって発表されました(Damschroder, et al., 2009).


CFIRは、エビデンスのある方法を普及させていく過程で、それを促進・阻害する因子には様々なものがありますが、CFIRでは「介入の特性」「外的セッティング」「内的セッティング」「個人特性」「プロセス」の5領域・39の構成概念で構成されており、CFIRウエブサイト(www.cfirguide.org)で詳しく知ることができます.


さてこのCFIRですが、2021年3月15日に”保健医療福祉における普及と実装科学研究会”(D&I科学研究会:RADISH)から翻訳書として『実装研究のための統合フレームワーク―CFIR―』が公開されました.

翻訳書では、各領域・構成概念に関する説明と文献リスト、および、CFIRインタビューガイドが掲載されています.


内富庸介(監修), 今村晴彦, 島津太一(監訳), 『実装研究のための統合フレームワーク―CFIR―』, 保健医療福祉における普及と実装科学研究会, 2021. [ISBN:978-4-9911-886-0-2]

https://www.radish-japan.org/files/CFIR_Guidebook2021.pdf


なお、今回公開された翻訳書について、翻訳書の最後に次のように書かれています.

本書は、CFIRの原論文(Damschroder, et al. Implementation science 2009,
4:50)に基づく総合Webサイトのうち、“What is the
CFIR?”(トップページ)、構成概念(https://cfirguide.org/constructs/)、および
イ ン タ ビ ュ ー ガ イ ド(Interview Guide Tool [https://cfirguide.org/guide/
app/#/] を用いて生成)の箇所(2019年2月時点:2021年3月時点でも変更がな
いことを確認済)を翻訳したものです。


CFIRについては、CFIRウエブサイト(www.cfirguide.org)やDamschroderらの論文でさらに学ぶことができます.また、CFIRを使った研究も論文で多数発表されているので、自分の研究テーマに近い先行研究を探すこともできるでしょう.


Reference.

Damschroder, L.J., Aron, D.C., Keith, R.E. et al. Fostering implementation of health services research findings into practice: a consolidated framework for advancing implementation science. Implementation Sci 4, 50 (2009). https://doi.org/10.1186/1748-5908-4-50