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yoyo

海へ行く

2021.03.19 15:00

海へ行く。バスに乗って行く。目的地の浜へはどこで降りたら一番近いですかと訊くと、運転手は目的地の浜を知らないっぽく、主な施設とその最寄りの駅が対応している表を出して調べてくれた。けれどもそこに浜は載っていなくて、結局分からず、最初にグーグルで調べていた駅で降りる。京都だとそういうことを訊くとここで降りて、乗り換えて、とそこからの行き方までそらで言ってくれるので驚いた。あらためて京都はコンパクトな街なのだと思った。


降りた場所にはスーパーがあって、閉店に寄せる近所の園児や主婦たちの感謝の絵が飾ってあった。そういえば近所のスーパーに自分が描いた絵が飾られるというのは、自分が幼稚園の頃もあったなと思う。父の日や母の日に。スーパーに行くと子が描いた自分の絵が飾ってあるというのは嬉しい体験だし、毎日通いたくなる。それは地域のつながりの実現でもある一方、戦略でもあったのだなあとこの年になって気づく。最近そういうのはめったにみないけれど、今もどこかでは続いているのだろうか。


海は干潮で浅瀬に海鳥が沢山浮いていた。真っ黒で見たことがない鳥だった。名前も分からないその鳥はときどき潜ってエサを探していた。子どもは足を海水につけるけれどずっと険しい顔をしていた。寒かったのかもしれない。貝殻もすぐに飽きたようだった。はいはいして、鳥をじっと見て、他の人が投げて遊んでいるボールを見てはしゃいでいた。帰りのバスでは終点前に降車ボタンを押して喜んでいた。


帰ってからは服の整理整頓。冬服を奥にやり、春服を手前に出す。捨てるもの、売るもの、クリーニングに出すものに分ける。なんとなくお気に入りじゃないけれど、もったいないから残しておいたものは売ることにする。そしてそういうものは、仕事のためにやむなく買ったものたちだと気づく。ある程度の制約はあるけれど、好きな服を着られる今の職場は、やっぱり自分に合っている。


これからどんな服を買おうかインスタを見て回り、mumokuteki的なシンプルなものがいいなというところに落ち着く。なるべく重ね着せずに一枚できられるものがいい。明日は雨らしいけれど買い物へ行こうと思う。


「初恋料理帖」を読んでいる。仕事のプライドや女性観、対話しない日本人の特質など、鋭く書こうと思えばどこまでも尖らせることのできる物事を、やさしく柔らかく、でも芯は曲げずに描いていて読んでいて安心する。


あっというまに一日が終わる。