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星を繋ぐ猫達 《第5章 イクサフィーゴのシヴァ》

2016.11.09 14:02

すっかり冬ですね。寒いです。

体調管理が難しい季節、皆さまも、気をつけてお置いたください。


画像は、2014年個展作品[チャット博士]です。彼は、個展でお世話になっている、高円寺の猫の額さんの看板猫のチャット君がモデルです。


では、お楽しみください。


《第5章 イクサフィーゴのシヴァ》


チャット博士が、前日に交わした会話とは?


「彼は私に言ったのです。「目の前に現れる現象に惑わされず、冷静に進みなさい。今こそ彼を起こしなさい」と、その翌日、私達の星は大変な事になっていました…」


そう、猫の星のエネルギー供給が途絶えた、あの日…


「彼とは?」


「旧式イクサフィーゴ…初代のシヴァです。今、彼は、停止してしまった中央イクサフィーゴの代わりを務めています。テラから戻ってきた、スティードと共に、星のエネルギーを作っています。」


スティードとは、猫沢さんが、地球から持ち帰ったミニイクサフィーゴです。


「初代?」


寅次郎博士は、キョトンとしています。


「はい、あの時、虎之助博士が設置していったイクサフィーゴは、20年前に引退し、時折、猫達のいこいの広場でマルシェやお祭り用の小さなエネルギーを供給していましたが、あの日を境に完全に再稼動しました…」


「中央イクサフィーゴと言うのは…??」


「2代目シヴァです。私達一族が、初代の細胞を培養し育てました」


なんと、あの巨大なイクサフィーゴは、猫達が造り出した物だったのです。


「ク、クローンなのか!?なんてことだ…謎が解けた!歪みの原因は、これだったのか…」


寅次郎博士は、ハッとした表情で猫達を見つめます。


「どういう事ですか?」 


「君達は、初代シヴァを休ませてしまっていたんだね…」 


「はい…外壁や機器類に、かなり老朽化が進み、猫達の人口も増え、多くのエネルギーが必要になったので、もっと大きなイクサフィーゴを創ったのです」


猫達の選択肢、これは、寅次郎博士も計算外の出来事だったのかもしれません…。


「私は、初代シヴァの中に、時空間時計(スペースタイムクロック)が設置しておいたんだよ…そうか、止まっていたんだな…」 


「え?」


猫達はびっくりです。そんな仕掛けがされていたなんて、全く知らないのですから…


「そう言えば頻繁にビラーゴは、言っていました。「早く彼を起こしなさい」と…私は、皆に伝えたのですが…当時、子供だった私の言葉は、ただの戯れ言だと思われ、誰も聞いてくれなかったのです…私がイクサフィーゴと会話出来る事を知っていた猫達は、ほんの少しでしたから…」


「なるほど…」


「寅次郎博士…初代シヴァも、こちらに来る予定だったんでしょうか?」


「いや…4体だけだ。シヴァは、カルカナル磁場の防御担当だ…猫達を守ると約束した…」


「チャット君…2代目シヴァとはコミュニケーションは取れていたのかい?」


「いいえ…彼と話した事はありません…でも初代シヴァとは少しだけ…」


「ほう…」


「…2代目が設置された頃だったと思います。式典の時、初めて対面しました…初代は「猫達は、再び同じ道を歩み始めてしまった…」と、それだけ発して、後は一言も話さなかったのです…私は帰宅後、ビラーゴに、その言葉の意味を訪ねましたが「いずれ分かる時がくる…」と…」


チャット博士は、やや沈んだ表情で、寅次郎博士を見つめました。


「2代目シヴァが設置されたのは…テラ時間で20年前、ちょうど、ジャッコ博士が、テラ任務中で不在と聞いています」


猫沢さんは、20年前の式典を思い出していました。彼も出席していたのです。


「20年前…ジャッコ博士と出会った頃だ…しかし、私は記憶を取り戻す事は出来なかった…戻せなかった…?いや、戻させなかった?」


寅次郎博士は、一瞬の混乱の表情を見せましたが、すぐに冷静さを取り戻し、猫達の不安そうな顔を見つめます。


「寅次郎博士…私達は、大きな過ちを犯してしまったのですか?クローンを作った私達の選択は間違っていたのですか?」


「過ちではない、君達の集合意識が選択したんだ。最終試験と言っただろう?2代目シヴァは無垢な赤ん坊のようなものだ。カルカナルに対する恐れや知識はない…」


「……」


「ちょっと寄り道程度のアクシデントだ。今、初代シヴァが、動いているなら心配はいらない。 彼が温存していたエネルギーが、星全体を覆えば、再び、元の状態に戻る事は可能だ。チャット君、教えてくれてありがとう」


寅次郎博士は、チャット博士の肉球を優しく握りました。時空間時計(スペースタイムクロック)が、細切れで動いて、ようやく、たどり着いた時間は20年と言う、長い年月を要してしまった事はともかく、今、再び猫達と出会えた事に感謝しているのでした。。 


「いえ…私は…」


チャット博士は、もじもじとしながら、うつむきました。


「2代目シヴァは、カルカナルに乗っ取られている。これ以上、地球人達の歪んだエネルギーが、彼に注ぎ込まれたら暴走してしまうかもしれない…早く手を打たなくては…」


寅次郎博士は、ようやく時空の歪みの原因が分かり、ホッとしたのか、次の作戦を考え始めました。


「あの、寅次郎博士、ちょっとよろしいですか?」


宇宙船の整備士であり特殊捜査官の、猫谷エンジニアが、手を挙げました。


「はい」


「もう間もなく、カンタスカラーナの護衛艦が到着します」


「なんと!」


「覚醒した、あなた方を狙う者達が現れると思いまして、私が呼んだのです」


「!!!」


寅次郎博士は、猫達の用意周到さに、目をぱちくりさせました。 


[つづく]


2016年6月24日から7月6日の2週間、東京 高円寺、猫の額さんにて行われました個展が、無事に終了しました。


また、来年の同じ時期に、猫の額さんにて個展開催が決定しました󾬄よろしくお願いいたします󾠓


(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。


東京.高円寺[猫の額]さんでの個展とブログ小説の連動型で、お楽しみいただけます。



猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)


※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)


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