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IPコラム 弁理士 田中智雄

相手がいいと言えば著作権侵害ではない

2021.02.26 10:00

著作権、難しい、複雑、理解できないことばかり。


一番大切なことは何か、

それは相手がどう思うか。


無名のミュージシャンが路上でライブ、

その様子をスマフォで撮影したAさん、

みんなに教えたくなったのでユーチューブにアップ。

著作権的にアウト。


スマフォで撮影してAさんが自分でみる、

これならいい。

ユーチューブにアップ、

公衆送信権の侵害。


でも、

そのユーチューブが芸能プロダクションの社長の目に止まり、

プロダクション契約をしてメジャー・デビュー。

寝る暇もないほど有名に。


1年前、路上ライブを無断で公衆送信したAさん、

このミュージシャンから著作権侵害で訴えられるのか?


では次の場合はどうか。

一緒にいたBさん、

Aさんと一緒に路上ライブをスマフォで撮影。

BさんもAさんと同じようにユーチューブにアップ。

Bさんのユーチューブチャンネルの再生回数がうなぎ登り。


1年後のBさん、

会社を辞めて広告収入だけで生活。

あのときのミュージシャン、

いまでも路上でライブを続けている。


同じことをしたAさんとBさん。

まったく結論が違う。


著作権の侵害になるかどうかは相手しだい。


Aさんが動画をアップしてくれた、

そのおかげで有名になったミュージシャン。


ミュージシャンの動画を無断でアップしたBさん、

Bさんは利益を得ているのに、

ミュージシャンには何の利益もない。

ミュージシャンの気持ちはどうか。


相手のことを理解せず、

複製権の侵害になるかどうか、

公衆送信権の侵害になるかどうか、

引用だから良いとか、

私的利用だから良いとか。


そんなことばかり考えていても、

相手がダメと思えばアウト、

相手がいいと思えばセーフ、

これが著作権の世界。


同じことをしても、

Aさんはセーフ、

Bさんはアウト。


著作権のトラブル、

まず相手のことを考える。

これだけのことで

トラブルを防ぐことができる。


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