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ロンドンの住宅事情

2016.11.10 13:59

ロンドンは物価が高いです。ざっくり言うと、食費・住居費など生活していくためのお金が、地方都市の1.5倍以上はかかります。今回、その中でもロンドンの住宅事情いついて少し書きます。


特に留学生にとって、住居問題は大変大きな問題です。大学からの距離によっては移動手段も考慮しなければならなくなり、さらにお金がかかったり、同居人がいる場合(フラットシェア)は住民同士のトラブルなど、色々と考えなくてはならないことがたくさんあります。

ただ、留学生(初めて留学に来た人)は、大学が用意する寮へ入居することで住居費をかなり節約することができます。

ロンドン市内の住居費は以下のような状況です。(2016年夏現在)


ロンドン中心部(ZONE1内)の家賃相場

1.シングル・トイレバス、キッチン共用:200ポンド/週前後

2.シングル・トイレバス付、キッチン共用:300ポンド/週前後

(※上記の相場は筆者の実感に基づいているため、実際のものとは異なる可能性があります。)


ここで注目していただきたいのは、イギリスの住居契約の特性上、家賃の表示等は「週~ポンド」となっていることです。日本の「月単位」とは異なります。つまり、シングルルームでトイレバス、キッチン共用の物件でも、週200ポンド×4週間=月800ポンド~となります。1ポンド140円と考えて計算すると、800ポンド×140円=11万2千円/月がかかってくることになります。日本では一人暮らしというと、シングルルームでトイレバスキッチンが付いてもここまで高くない物件はたくさんあると思います。ちなみに、「スタジオ」というタイプ(トイレバスキッチン付き)は相場が400ポンド前後はしてしまいます。日本と同じ感覚で暮らそうと思うと、20万円以上かかってしまう感じです。


とはいうものの、前述したように大学が用意してくれる寮に入居することで住居費をかなり抑えることができます。上記1のような物件の場合、大学の寮であれば週130~180ポンド、2のような物件なら、週180~250ポンド程度で入居することが可能です。プライベートアコモデーション(個人経営の不動産等)よりもかなりお安い金額で大学の近くに住むことが可能です。実際にはプライベートよりももっと環境はいいと思います。大学が責任をもって運営している寮なので、掃除やメンテナンスがプライベートよりしっかりしています。日本と逆ですね。


ちなみに、イギリスの大学寮の契約は「夏期間」と「学期期間」に分かれています。夏期間は概ね6月末から9月末頃まで、学期期間は9月末から次の年の6月末までです。つまり、もし1年間留学をしようと思った場合、学期期間+夏期間の2つの不動産契約を結ぶことになります。契約は大学によって異なりますが、既定の日時までにApplyし、条件が整った者から順にOfferが来るという形になります。


takaの場合はちょっと大変でした。

まず、2016年7月末から「夏期間」の契約で大学の運営する寮に入居しました。家賃は週170ポンドほどでした。Brexitの影響から170ポンド×8週間=1360ポンド(20万円弱)で生活できました。しかし、「学期期間」の契約で大学寮へのApplyをしていなかった(間違えて、プライベートの寮にApplyしていた。)ことが後でわかり、慌てて9月中旬ごろ住む場所を探すことになってしまいました。私の大学の場合は、決められた期日までにApplyしていないと、どんなに足掻いてもApplyすることはできません。その期日はなんと、2016年6月30日でした。

私の場合、寮に求める優先順位として「大学に近いこと」が特に重要でした。急きょ大学の近くで寮を探すことになったのですが、条件に合う寮がなかなか見つからず退寮しなければならない9月17日を目前に焦っていました。結局、UNITE STUDENTSという不動産屋と契約をしたのですが、大学から10キロも北に位置する物件でした。実際には2週間弱その寮に暮らしたのですが、どうしても距離が遠いことや地下鉄に依存した生活にならざるを得ないことなどから、やはり大学の寮に住みたいと思いました。そこで、9月26日にオープンする大学寮のwaiting listに登録してみることにしました。ただし、1度不動産契約をしてしまうと支払いの義務が課せられてしまいます。9月16日の段階で不動産契約をしてしまい、半額の3400ポンドほどをすでに支払っていました。もし仮に大学の寮からofferが来たとしても、自分が現在入っている寮の契約を引き継いでくれる人を探さない限り、175ポンド×40週分の料金を支払う義務があるという状態でした。そして、waiting listに登録したのと同じ日(9月26日)大学のaccommodation officeから1通のメールが来ました。内容は、大学の寮のofferでした。この時はうれしかったのと同時に、なんでこんなに早くofferが来たのかと、戸惑いの感情が湧き上がってきました。しかも24時間以内に返事をしなくてはなりませんでした。そこから怒涛の人探しが始まりました。SpareroomやGumtreeというサイトへ投稿し、入居してくれる人を必死で探しました。

結局、奇跡的に自分の契約を引き継いでくれる人を見つけることができましたが、6月30日までにApplyをしていなかったがためにとんでもない犠牲を払うことになってしまいました。一つの教訓として胸に刻んでおこうと思います。(さらっと書きましたが、実際は本当に大変でした。細かいことはまた機会があれば書きます。)


今回の経験を通して分かったことがあります。

イギリスというのは、いい意味でも悪い意味でも「適当」な国だということです。今回のような寮の契約など、人が関わることは「交渉」次第では良くも悪くもなります。イギリス的な「決まり」というのはあってないようなものです。別の言い方をすると「ごねた者勝ち」です。また、イギリスで交渉や問い合わせなどをする場合の格言として、「適切な答えを聞きたければ適切な人のところへ行け」というのがあるそうです。日本と違い、ある部署の担当者は自分のわかる範囲でしか仕事をしません。そのため、適切な答えを聞きたければその答えを知っている適切な人のところへ行かなくてはいけません。また、「1つのことを確かめたかったら4人に聞け」というのもあるそうです。一人や二人に聞いて同じことを言っていたとしても、3人目の「適切な」答えを知っている人が違うことを言う可能性があります。4人くらいに聞いて、みんな同じ答えだったらある程度信用してもいいみたいです。


イギリスでの生活はとても大変です。特に住む場所は非常に重要なので、しっかり準備をしてください。