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Baby教室シオ

教具『圧覚筒』

2021.03.24 00:00

指先を使用することの重要性を日々皆さんにお伝えしていますが、それは指先を使うことで神経が発達し細かな運動ができるようになり、またこの細かな動きが脳に刺激を与え思考力・言語力・運動能力も育てることに繋がるからです。

実はこの器用さの出発地点は乳児期の身体発達です。胎児の頃に自由に動かしていた身体が誕生直後からは、重力に逆らって一から自らのボディーイメージを獲得していかなくてはなりません。この乳児期に如何に自分自身の身体を意識し実感することができるかという発達が器用さの基礎作りになるのです。

その後1歳から3歳未満まではおもちゃを中心とした遊びで手や指の動かし自然と器用さを身に付け、3歳以降は多くの教具や日々の生活で使用する道具で器用さの精度を上げていくことになります。また冒頭で述べたように思考や言語力に関係するため就学後の学習の進捗や習得度合いに直結します。何でも器用にこなす子に頭の回転が早い子が多いと言われる事にはこのような理由があるのです。

今回取上げるのは3歳以降の教具として使用する圧覚筒です。

指先に意識を集中させ白や黒のつまみを押して圧覚を感じ取ります。指先を通して感じたことで脳を刺激することになります。3歳以降は何度も押して確かめることを繰り返します。止めなさいと指示を出してもし続けるのは、今まさに欲している刺激だからです。

全てを押すと圧覚に差があることに気付き、次はその圧覚の比較に入ります。子供達の中には無言で繰り返し押している子もいれば、「硬い、強い、柔らかい、ぽこぽこ、ぎゅーっ・・・」などいろいろな表現が飛び出します。その子の持つ言葉がそのまま表現されるため言語の育ちが分かるのもこの教具の良いところです。


白と黒のつまみは圧覚が同一です。よって同じ色同士比較した後は、白と黒のつまみ圧覚筒の同マッチングを行います。


手や指の器用さにはものに触れるときに働く触覚、筋肉や関節の動きを感じ取る固有覚、姿勢の維持や利き手の使い方の発達などに関わる前庭覚が大きく関わっています。この感覚情報が整っていなければ器用さを獲得することはできません。つまりはいろいろな教具を使用し、感覚情報の処理を上手に行えるようにする必要があるのです。

生後3ヶ月から本格化する手の動かしを成長と共に適切で良質ななおもちゃを与え、日々の生活で多くのものを扱えるようにし器用さを獲得するようにしていきましょう。

特に3歳以降は工作的取組みをどんどんさせる必要があります。そのためにも1歳以降は紙を破り、糊で紙を貼り付け、粘土を捏ねたり丸めたり、引きちぎってみたりとあらゆる刺激を指や手で味わうようにします。

3歳以降でこのようなことをしたがらない場合は感覚統合の課題が考えられます。手の発達の前に全身の機能発達を促す必要があり、より専門的な指導が必要になるケースがあります。