グリーンプリンティング(GP)って何?
環境にやさしいことを伝える表現としてよく使われる「グリーン」。グリーン購入、グリーン電力などなど、さまざまあります。
当然、私たち印刷業界にも「グリーン」があります。
台東区&墨田区の印刷人Blog、管理人のKazuhiroです。
訪問していただき、ありがとうございます。
さて、今回は印刷業界のグリーン、「グリーンプリンティング(GP)認定制度」についてです。
グリーンプリンティング(GP)認定制度とは?
まずは、制度概要から。
制度概要
● 背景と目的
環境問題に対する社会的要求が高まり、印刷産業も環境に配慮した製品作りが求められています。そこで、日本印刷産業連合会(略称:日印産連)では、印刷産業界の環境自主基準「印刷サービスグリーン基準」を制定しました。グリーンプリンティング認定制度(略称:GP認定制度)は、本基準を達成した工場・事業所を認定、環境経営に積極的な印刷関連企業として推奨するとともに、同基準に適合した印刷製品にグリーンプリンティングマーク(GPマーク)を表示することにより、環境に配慮した印刷製品が広く普及することを目的としています。
日本印刷産業連合会ホームページより
簡単にいうと、環境に配慮した印刷をしていると認められる事業所にグリーンプリンティングを認定し、グリーンプリンティング(GP)マークを印刷製品に表示できるようにしている制度です。
「印刷サービスグリーン基準」
まずは、印刷サービスグリーン基準から。
印刷方式の違いによって、それぞれのグリーン基準があります。
- オフセット印刷部門
- シール印刷部門
- グラビア印刷(軟包装)部門
- スクリーン印刷部門
各種法令、条例をキチンと守るのはもちろんのこと、地域への環境影響(悪臭、騒音、振動等)防止対策、VOC(揮発性有機化合物)発生による大気汚染の防止、廃棄物削減を削減しつつリサイクルを推進する・・・ なかなか厳しいですが、さまざまな面から環境への対応が基準化されています。
特に、一時期騒がれたのがVOC(揮発性有機化合物)の問題。
本当の話かどうかは定かではないのですが、かつて日本の大気汚染がひどかったころ、大きな原因の一つが印刷工場だと言われた時代があったようです。
今は、環境対応型のインキがありますので、かなりVOCの発生は抑えられていのでしょうね。
さて、この基準には他にも環境情報の公開、外部委託における環境配慮、労働安全衛生への配慮、緊急時への対応等も設けられています。
グリーンプリンティング(GP)マーク
最大限に環境に配慮をした印刷製品の証しとして表示することのできるマークが、「グリーンプリンティング(GP)マーク」です。
グリーンプリンティング(GP)マーク
三つの制度
グリーンプリンティング(GP)認定制度には三つの制度があります。
- 環境配慮された印刷工場を認定する「GP工場認定制度」
- 印刷工場が使用する資機材を認定する「GP資機材認定制度」
- 認定工場が製造した印刷製品にGPマーク(環境ラベル)を表示できる「GP製品認定制度」
工場認定制度と資機材認定制度に関しては、そんなものがあるんだな程度に思ってもらえればいいのですが、ここから本題に入ります。グリーンプリンティング(GP)マークについてです。
グリーンプリンティング(GP)マークとは
印刷製品認定 グリーンプリンティング製品認定制度(GP製品認定制度)は、GP認定工場が製造し、用紙、インキ、製本・表面加工方法等が環境配慮基準を満たした印刷製品に、GPマーク(環境ラベル)を表示できる制度です。GPマークは製造工程と印刷資材全てが環境配慮されている高度な環境ラベルとして、官公庁の発行物、CSRレポートから一般のパンフレットなどさまざまな印刷製品に表示されています。
日本印刷産業連合会ホームページより
グリーンプリンティング認定工場で印刷し、資材(紙、インキ等)が環境配慮基準を満たしていれば、印刷製品に表示することができるんですね。
GPキャラクター ジッピー
グリーンプリンティング(GP)マークの意味
今までの印刷業に関連した環境ラベルといえば、再生紙などの資材や製造工程の一部が対象でした。グリーンプリンティングマークは、資材から印刷工程まで網羅した総合的な環境ラベルです。
つまり、印刷製品にグリーンプリンティングマークを表示することで、その製品が印刷製造工程全てにおいて環境に配慮していることの証明になるというわけです。
さらに、グリーンプリンティングマークは表示するための条件が一般に公開されています。また、第三者からなる認定委員会によって認定を受けた工場の印刷製品であり、その内容が保証されているということも大きな意味を持っているのではないでしょうか。
グリーンプリンティング(GP)マークを表示するには
各種印刷物にグリーンプリンティングマークを表示したいときは、まずはグリーンプリンティング認定工場に相談して下さい。お付き合いのある印刷会社さんがグリーンプリンティング認定工場なら問題ないですね。
ところが、GP認定工場さんが見つからない場合はどうしたらいいか?
そのような時は、日本印刷産業連合会ホームページから探すことができます。
他に、各印刷会社ともホームページにグリーンプリンティング認定工場だということを載せていますので、検索してみてください。認定工場が見つかれば、あとは条件さえ満たせばグリーンプリンティングマークは無料で表示することができます。
三つの星の意味
グリーンプリンティングマークにスター(星)がついています。1個~3個。星の数が多い方が、より環境に配慮している印刷事業者だということを表しています。
最後に
FSC認証などと比べると、やや地味で世の中に広く知れ渡っているとは言えないのがツラいところです。結構がんばってる環境ラベルだと思いますけどねえ。
例えば、東京都のグリーン購入ガイド・印刷物の基準というのがありまして。
水準2としては、
「グリーンプリンティング認定制度による認定を受けた工場で印刷されるものであること」
と、グリーンプリンティング認定工場へ発注するように促されています。
また、環境省の『プレミアム基準策定ガイドライン』でも、事業者を選ぶ際の基準設定例に、
「グリーンプリンティング認定制度の認定工場(事業所)であること」
とされています。
日印産連を始めとする印刷業界の関係者は一所懸命、グリーンプリンティング(GP)マークを広めようとしています。いや、広めたくてしょうがない、というのかな?
まあ、印刷業界に関わるものの端くれとしては、少しでもグリーンプリンティングを広められるように頑張りたいと思っています。
グリーンプリンティング(GP)認定制度についてのお問い合わせは、下記フォームよりどうぞ。