【戦国時代展】特集⑤何人見分けられる!?入り乱れる姉川の戦い
琵琶湖のほとり近江に居城を構えていた浅井家は、大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」や、「戦国鍋TV」の「浅井三姉妹」などでも脚光を浴びましたね。
信長を裏切った浅井家。
浅井・朝倉連合軍と織田・徳川連合軍が戦った「姉川の戦い」は
「血原」という地名がいまだに残るほど 激戦だったようです。
【戦国時代展】(東京都江戸東京博物館) には、《姉川合戦図屏風》が出展されます!
姉川合戦図屏風 天保8年(1837)
福井県立歴史博物館蔵
※11月23日~12月9日展示
この屏風絵、両軍の入り乱れっぷりが感じられますね。
比較的、武将一人一人が大きく描かれているので、探してみるのも楽しいのでは?
ということで、何人かご紹介したいと思います。
まずは、画面中央の下部。 大きく目立っているのが「徳川四天王」の一人、
「本多平八郎忠勝(ほんだへいはちろうただかつ)」です。
目印は、「鐘馗(しょうき)」の馬印。
姉川合戦図屏風(部分) 天保8年(1837)
福井県立歴史博物館蔵
※11月23日~12月9日展示
旗を持つ従者の前に、鹿の角が特徴的な兜を被った本多忠勝が馬上、長鑓(ながやり)を手に突進中。
本多忠勝の向かっている先、すこし右側には、浅倉家随一の豪の者、真柄直隆(まがらなおたか)がいます。
目印はなんといっても、振りかぶっている大太刀です!
姉川合戦図屏風(部分) 天保8年(1837)
福井県立歴史博物館蔵
※11月23日~12月9日展示
ばっさばっさとやった後らしい血までが描かれています。
この屏風絵、大太刀を誇張しているわけではありません。長さ的にはむしろ正確?もしくはすこし控えめなくらい?です。
というのも、熱田神宮には、真柄直隆が姉川の戦いで使ったとされる大太刀「刀(朱銘)末之青江」が所蔵されていますが、みなさんご覧になられたことはありますか?
この大太刀、長さ221.5cm!!なんと2メートル超えです。重さは4.5kg!
刀という規格を無視したような姿で、大迫力です。
屏風右側では、徳川家康の右腕だった石川数正(いしかわかずまさ)と、徳川十六将の一人、平岩親吉(ひらいわちかよし)が切り込みを仕かけています。
姉川合戦図屏風(部分) 天保8年(1837)
福井県立歴史博物館蔵
※11月23日~12月9日展示
馬上の2人の武者のうち、黒い馬に跨るのが平岩親吉。結び雁金紋の赤い旗を持った従者が隣を駆けています。
下(馬が背景と同化していて見づらいです)が石川数正 。石川竜胆紋の白い旗を持った従者が横にいます。
その少し上、川の前では、朝倉景健(あさくらかげたけ)が、朝倉軍の劣勢をみて、自ら突撃しようとするところを、従者が必至に止めています。
姉川合戦図屏風(部分) 天保8年(1837)
福井県立歴史博物館蔵
※11月23日~12月9日展示
屏風左側には、床几に座る徳川家康の姿が。
姉川合戦図屏風(部分) 天保8年(1837)
福井県立歴史博物館蔵
※11月23日~12月9日展示
見ていくと、描かれているのは徳川VS朝倉の様子で、織田、浅井軍の姿はありません。
なぜなら、この屏風絵の目的は、家康の顕彰にあるから。
この姉川の戦いで敗れたため、浅井、朝倉は勢力を失い、その後滅亡へと向かったとされています。
が、実は、この戦いが有名なのは、
姉川の戦いで徳川軍すごくがんばった!徳川軍のおかげだった!
とする江戸時代の作為が入っているためだと考えられるそうです。
実際のところは、織田・徳川軍も勝利したといえど、多大な被害があったようです。
浅井・朝倉は、その後も執拗な抵抗を見せ、信長も、この戦いの後に各方面を抵抗勢力に包囲され、苦しい時期に突入。浅井が籠城していた小谷城が陥落するには、3年の歳月がかけられました。
さて、みなさん、この屏風絵の武将を何人判別できるでしょうか!?
是非twitter、もしくはfacebook #戦国王 で投稿してください!
武将の旗印なんて分からないよ~!という方、詳しくは本日発売の「週刊ビジュアル戦国王 第23号」で!
《姉川合戦図屏風》について、姉川七本槍の様子や、徳川、朝倉の武将たちの姿もより詳しく紹介しています!
そして、
本日20:00~21:00 FRESH! by AbemaTV 戦国王チャンネルで生配信の「週刊ほろよい戦国王」では、浅井家と、姉川の戦いをテーマに、小和田泰経先生と歴女の磯部深雪さんがゆるくマニアックにトーク予定です!
こちらも、是非ご覧ください。
FRESH! by AbemaTV 戦国王チャンネル https://abemafresh.tv/sengokuoh
そして、実物は、戦国時代展で!
戦国時代展
【東京会場】
2016年11月23日(水・祝)~2017年1月29日(日)
東京都江戸東京博物館 1階特別展示室
〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1
URL:http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
開館時間:午前9時30分~午後5時30分
(土曜日は午後7時30分まで ※入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日。ただし1月2日、9日、16日は開館。
年末年始(12月26日(月)~1月1日(日)
問合せ:江戸東京博物館 TEL:03-3626-9974(代表)
【京都会場】
2017年2月5日(土)~4月16日(日)
京都府京都文化博物館 4階・3階特別展示室
〒604-8183 京都市中京区三条高倉
開館時間:午前10~午後6時
金曜日は午後7時30分まで(入館はそれぞれ30分前まで)
休館日:毎週月曜日(3月20日は開館)、3月21日
問合せ:京都文化博物館 TEL:075-222-0888(代表)
【山形会場】
2017年4月29日(土・祝)~6月18日(日)
米沢市上杉博物館 〒992-0052 山形県米沢市丸の内1-2-1
URL:http://www.bunpaku.or.jp/http://www.denkoku-no-mori.yonezawa.yamagata.jp/
開館時間:午前9時~午後5時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:5月24日(水)
問合せ:米沢市上杉博物館 TEL:0238-26-8001 (代表)