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Baby教室シオ

スナップ『とまらぬ発想を工作にして』

2021.03.27 00:00

今年になり急激な伸びを見せ毎週新たな発見と喜びを与えてくれるようになりました。ものすごく元気に溢れていれる日もあれば、深く思考が進んでいると感じる静かな日もあり、知性が付きはじめていることが分かります。

いつも行っている理科的学習プリントは『フクロウとその住処』についてでした。絵本でその生態などを読んだ後に平面図形の取組みとしてフクロウを折りました。

折り紙を折ることは幾つもの段階を経て一折、二折りと積重ねていきます。一気に全てを折らせるのではなく、スモールステップで技術を少しずつ上げていく必要があります。また同時に折り線を意識して確認させ、次にスタンバイする線対称の学習土台も同時進行して進めています。

フクロウを折る練習をした後に何か閃いたようで「フクロウの巣をつくりたいな」ということを言い出しました。なるべく子供の閃きに対応できるときは対応するようにしています。なぜならこの閃きこそが頭脳回転の良い練習になるからです。

ということで急きょ制作することになりました。幹の部分を折り紙三つ折にし巣穴を開け、葉を貼り付けてはさみでその輪郭を丁寧に切っていきます。


工作をし終えた後は絵本に戻ります。ひらがなも読めるようになり鳥の絵本を自ら読み知識をインプットしています。絵や図鑑はなるべく漢字にひらがなのルビが振られているものを選びましょう。すると知りたい、何だろうという探究心から無理なく拾い読みをし出すようになります。親が読んであげなくても自分で読もうとする努力を自ずと身に付けることができます。


私は子供から声が掛かるまではどのように絵本を見たり読んでいるのかを目の動きで確認します。すると目の動かし方の癖も分かりますし、目を留めて見ているものに対する関心度が分かります。

ひな鳥が羽を広げて飛ぶ練習をする様子や獲物を捕ることをイラストで確認していたかと思えば、徐に両手を広げ「フクロウは羽を広げるとどれくらいになるんだろう?」「これくらい?」と問われました。彼は実際に自分の身体を動かし大きさの確認をしていきます。このような大きさの認知は実際に目の前に存在しない大きさをイメージする力を育てている行動で、3~5歳の男の子が大きいものに憧れる発達段階に現れ、実像と虚像の大きさをイメージできるようになります。


大きさのイメージが湧いた後に表現したのは、フクロウが鼠を捕獲している様子を自ら再現すること。自らの手をフクロウの足爪に見立てて鼠を捕獲する疑似体験を行っています。この行動はなりきり遊びやごっこ遊びに繋がります。なのでこんな質問をしてみました。「どんなごっこ遊びがすきなの?」すると予想だにしない答えが・・・「かざんごっこだよ」

えっっ・・・・「お山が火を吹く火山ごっこ?」と返すと「そうそう、うんうん」どこでどんな風にしているのか気にはなりましたがグッと堪えて様子を見ているとまた変化がありました。

フクロウの足爪を真似ていた動作から次はカマキリを想像したようです。「フクロウは鼠の他にカマキリも食べるの?」と訊ねてきました。

「カマキリがフクロウに食べられそうになるとどうなるかな?」「カマを振り上げるる?」・・・「カマで暴れるからフクロウより強いのかな?でもフクロウが大きいからフクロウが強いのかな?」と真剣に小首をかしげて考えています。

食物連鎖を知る以前のこの思考はとても重要です。なぜなら教えられた知識ではなく、自分自身で考えるということに繋がり大きな意義があるのです。安易に答えを求めるよりも奥深い思考の形成をする機会を多く設けましょう。

それにしてもこの表情と小首をかしげる姿をよく見せてくれます。その度に思考の深まりや成長を感じます。このようなステージに繋げるためには興味や関心事を多く持たせることです。この生徒さんも直ぐにこのようなことができるようになったわけではありません。地道に親子さんで努力した積み重ねで獲得したものです。焦らずできることから繰り返し行ってみましょう。一朝一夕、ローマは一日にしてならずです。