[資料] 日本の看護学生・看護師の高等教育における「根拠に基づく実践」の記述に関する文献レビュー(2021.03)
2021.03.27 07:00
基礎教育・生涯教育において、EBPを学習できる環境をどのように整えていくかは、国内外でも大きな課題の1つとなっています.しかし、日本でEBPの教育がどのように行われているかを報告した実態調査はまだありません(2021年3月時点).そこでまずEBP教育の基礎資料として、日本の高等教育機関(大学・大学院)における看護師の養成に関する文書で、EBPについてどのように記述されているかをレビューした結果を発表しました.
友滝愛, 津田泰伸. 日本の看護学生・看護師の高等教育における「根拠に基づく実践」の記述に関する文献レビュー. 国立看護大学校研究紀要. 2021;20(1):36-42.
http://www.ncn.ac.jp/academic/020/2021/2021jns-ncnj07.pdf
(要約より)
根拠に基づく実践(Evidence-based practice: EBP)の重要性は,国際的に広く認識され,看護師にも EBP が求められている.EBP を推進するためには,EBP 教育が重要となるが,日本の看護師の高等教育において EBP 教育がどのように位置付けられているか , 体系的に報告されたものはない.そこで,日本の看護系大学の学士課程,および,大学院修士課程での高度実践看護師の養成に関する文書を対象に,EBP 教育に関する記述を抽出し要約した.その結果,看護学士課程では,看護学教育モデル・コア・カリキュラムで EBP に関して記述されていた.専門看護師・診療看護師の有する役割の定義には,EBP に直接言及する記述はなかったが,専門看護師の専攻課程別では,教育目標などで EBP について記述されている課程もあった.ただし記述の程度は専攻課程によって異なっていた.今後は,看護系大学・大学院のシラバス,および,実際に行われている EBP 教育の実態を調査する必要がある.
*この研究は、科研費 JSPS-JP-18K17452の研究活動の一環で発表しました
Reference.
友滝愛, 津田泰伸. 日本の看護学生・看護師の高等教育における「根拠に基づく実践」の記述に関する文献レビュー. 国立看護大学校研究紀要. 2021;20(1):36-42.