絵本『うめぼしさん』
2021.06.13 00:00
教室に通う生徒さんの親御さんには外国の方々がおられます。それぞれのお国と日本の子育て事情の違いに驚くことや感心することがありますが、食文化の違いも大変興味深いことがあります。ご自身が苦手な梅干であってもお子さんの好きな梅干を少しでも理解しようと今年は梅干作りに挑戦するのだそうです。ご家庭でお互いのお国を理解しようと努める素敵さにエールを送るため梅干に焦点を当て絵本をチョイスしました。
神沢利子さんの歌いたくなるような言の葉に真島節子さんのどことなく一昔前の日本の風景漂う絵力がほのぼのとし懐かしさを思い起こさせる絵本です。
過去の経験から酸味のあるものを見ると口にせずともこのような表情になりますが、なんと梅干の歴史は平安時代に遡る歴史深い食べ物です。
梅に鶯・・・早春の梅の紅白の花咲き誇る木の枝にいる鶯から、梅雨に打たれる青梅の幼き表情、丸々と大きくなった青梅が水洗いされ梅干になるまでの旅に出掛けます。
我が母は毎年「干すのが大変なんだ」と言いながら漬けていますが、この天日干しが梅干の出来不出来を左右するらしく、晴れている日が3日連続してあるタイミングがベストだそうです。実は私はしたことがありません。今年こそと思うのですが毎年梅酒になってしまいます。
手間隙を掛けて早春から初秋に掛けて梅干は食べ頃になります。簡単に買えてしまう世の中になっていますが、日本の伝統保存食はいろいろな料理に姿を変え食文化として日々の生活に存在します。
そろそろスーパーに青梅が並びます。お子さんと絵本を読みながら漬けてみることも良い経験になるかもしれません。