「グリムどうわ」大塚勇三 訳 丸木俊 絵
本日丸木俊さんが絵を手掛けた絵本を、オンラインストアに2冊更新しております。
一冊は名作と名高くも、絶版で手に入りづらく値段も高くなってしまっているので有名な(?)「明りになったかたつむり」。
そしてもう一冊「グリムどうわ」も絶版なのですが、こちらはあまり知られていない気がしますね。
注目したいのは、この丸木俊さんの挿絵の「グリムどうわ」です。
収録されているのは8話。「赤ずきん」「ヘンゼルとグレーテル」「しらゆきひめ」など有名はお話が中心ですが、こうした有名なグリム童話を描く丸木俊さんの絵、想像できますか?
これが、素晴らしいんです。
「赤ずきん」なんて、可愛らしくてそれでいて不穏で、そして絵の中に不思議なエネルギーが溢れていて、こんな赤ずきん、見たこと無いです。
近い感触を持った作家で思い浮かぶのはエヴァ・べドナージョヴァーなどでしょうか?
「七わのカラス」や「しらゆきひめ」の絵も素晴らしいので、ぜひ本で見て頂きたいです。
訳者の大塚勇三さんがあとがきで書かれている、グリム兄弟が心血を注ぎ出版した、この童話集のこと。
これがそのまま丸木俊さんのこの絵本の絵からも感じられるように思えるので、引用させて下さい。
「この童話集となん十年もとりくみながら、兄弟は、つねに童話を純枠にとらえ、話の整理をするにしても、できるだけもとの話に忠実であるように心がけ、話をつたえた人々の心をそのままつたえようとしました。その努力は、みごとに生きています。こうあってほしいというねがい、自然の強さへの感覚、オオカミや悪魔などへのおそれと、それを克服したい気もち、美へのあこがれ、枠をやぶって野放図にたのしみたい気もちなどなど、話を語りつたえ、形づくってきた無名の人々の希望や夢や心がさまざまな形に封じこめられ、結晶しているように感じられます」
ぜひオンラインストアでも、店頭でも、御覧ください。
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