11月16日　煙突男、現る(1930年)

2016.11.15 21:52

1930年、当時の日本は世界恐慌の渦中で、多くの労働者が解雇され、各地で労働争議が多発していました。現在の富士紡ホールディング、川崎工場でも半年前に解雇通告が出され、減棒や手当の減額などが行われたのです。これに対し従業員側は、仕事をサボタージュするなどで対抗しますが、効果がありません。

そこに現れたのが煙突男です。

彼は、朝5時頃、一人で煙突に登りました。排出口付近の周囲には足場があり、ここに男は陣取って頂上の避雷針に赤旗を結び付け、小旗を振りながら演説を行いました。なんと5日分の食料を持ち、長期滞在を見込んでいたというから驚きです。

新聞に報じられたことで、野次馬の数はなんと10,000人以上に。

そして6日目。会社と争議団が妥結し、煙突男は降りる事になりました。

闘争では交渉側が弱い。普通の交渉ではラチがあかない。ではどうしたらよいのか？を考えた結果のようです。武力行使でもなく誰を傷つける訳でもなく、交渉し続けることができる場が煙突であると解った時、彼の頭の中は、白くすっきりしたのかもしれませんね。顔は真っ黒になったそうですが(^^ ;

今の時代、自分の想いを熱く人に語る人が少なくなったとも言われます。その様な状況の中、交渉しなければならいないとしたら、あなたはどの様な行動をとりますか？

また、目の前に煙突男の様に、突飛でもない事を始めたら、あなたはどうしますか？

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