アマデウスの旅4-イタリアで最初のオペラ
2021.03.29 11:36
1769年12月13日、モーツァルトは今度は父子だけでイタリアへ旅立った。今回はアマデウスのお披露目と共にオペラ研修である。翌年1月7日に到着したヴェローナでは、アマデウスはもうオペラを見て、それどころか市の演奏会で、渡された詩に即興でアリアをつくって歌った。
このようなPR活動の結果、3月にミラノで、クリスマスに行われるオペラを書くよう契約が取れるのである。そして父子はイタリアをローマ、ナポリと南下。ローマではシスティーナ礼拝堂で「ミゼレーレ」を鑑賞し、ナポリでは当代一のオペラ作家ニコロ・ヨンメッリのオペラを鑑賞した。
10月13日、父子はミラノに戻り、いよいよオペラに本格的に着手する。その頃のオペラは、何と配役に合わせてアリアを書くというものだった。しかしプリマ・ドンナにはもう別の作曲家から曲が届けられており、アマデウスは即座に曲を書いて、気に入られて、それを歌うことになった。
楽団との練習では、この若干14歳のオーストリア人にできるわけがないという者もいたが、もう最初の練習で、異論はなくなってしまった。そしてモーツァルト最初のオペラ「ポント王ミトリダーテ」は、71年1月にかけて20回の演奏をするという大成功を納めた。