はとバスの歴代の輸入バス①
はとバスが2階建てバスを初めて導入したのは1982年でした。それ以来、はとバスでは輸入車輛を常に数台ずつ保有してきましたが、数回に分けて、歴代のこれら輸入車をご紹介します。はとバス初の輸入車は1982年に導入された西ドイツ(当時)のドレクメーラー社製の2階建てバスと思われがちですが、厳密に言うと、創業時にアメリカのダイヤモンド社の車両を所有していたので、こちらが初の「輸入車」となります。しかし、当時は社名も新日本観光でしたので、はとバス初の輸入車はドレクメーラーの2階建てバスだと言っても間違ってはいないのかもしれません。いずれにしても、第1回目はドレクメーラーの2階建てバスをご紹介します。 はとバスは1983年の正月から2階建てバスを定期観光バスとして運行開始しました。当時は西ドイツ(当時)のネオプラン社製を筆頭に、ヨーロッパから日本仕様の2階建てバスが数多く輸入され「2階建てバスブーム」とまで言われていました。このような状況下、はとバスが導入したのは今回ご紹介する日本初登場のドレクメーラーE440メテオールでした。ドレクメーラーは「バスのロールスロイス」とまで言われるほど品質の高いバスを製造する名門メーカーでした。はとバスは当初3台のドレクメーラーE440を導入しましたが、「281」~「283」の車番が付与されたこれら車両は定期観光バス用で2階=52席、1階=20席の計72名の乗客定員でした。2階建てバスによる定期観光バスのコースは大人気を博し、1984年には2階建てバスが2台増備されました。増備された車両は1982年の車両とは異なった車内仕様を採用し、2階は同じ52席でありながら、1階はサロン形式の16席となり、トイレも備えていました。車番「491」と「492」を付与されましたが、1台は貸切観光バスとして登録され、長距離観光で活躍しました。いずれもダイムラー・ベンツの排気量14.6ℓのOM422A型エンジンを搭載していました。 これで2階建てバスは5台体制となり、定期観光・貸切観光を問わず、はとバスを代表する車両となりました。このドレクメーラーE440は更に1993年と1994年にも追加導入されますが、これらの車両については改めてご紹介します。
写真① 日本に初登場し、登録前の貴重な記録
写真② 2階建てバスの定期観光バスコースは連日大盛況でした
写真③ 1984年に増備された貸切観光バス用のドレクメーラーE440