「宇田川源流」【大河ドラマ 麒麟がくる 青天を衝け】二つの大河ドラマの男女反響の差何か
「宇田川源流」【大河ドラマ 麒麟がくる 青天を衝け】二つの大河ドラマの男女反響の差何か
水曜日は大河ドラマについて書いている。大河ドラマ「麒麟がくる」「青天を衝け」の二つの内容や、それにまつわる話、そしてその内容や感想などを書いているのである。そのために、ある意味でなかなか面白い話ができるときもあれば、ありきたりな話になることも少なくない。しかし、このように書いてみれば、実際には様々な違いということも見えてくるのも事実だ。
今回は、あえて二つの大河ドラマをこのように並べ、そのうえで、その内容を比較してみようと思う。
といっても全くそんなことは何を言っているのかわからないという人も少なくない。そもそもドラマとして考えれば、同じ時代劇であり歴史を扱ったドラマであることはわかるが、そもそも二つのドラマは扱っている時代も違えば、その内容も全く異なる。戦国時代と幕末では、その時代背景も違うし、また戦争に明け暮れた戦国武将と、戦争をせずに異国という存在を考えながら、次の日本全体を考えていた幕末の志士とは全く異なる存在である。
同時に、戦国時代は、平安時代後期からの「武士」というものがあり、まだ天皇からの位階や官職というものがあり、幕府の権威が下がってきているものの、それでも幕府の感触もあった。しかし、世界は初めて欧米というものを認識しているという状況であり、その内容では全く異なっていたということになる。
一方、幕末の価値観は基本的には幕府である。その幕府が徐々に落ちてゆき、その基本の幕府という価値観が崩れ、尊王という朝廷権威が出てくることになるのである。
つまり、幕府の権威から新たな徳川幕府というものができた戦国と、幕府の権威がなくなり幕府崩壊から明治政府になるという「双方ともに前の幕府の衰退期と新たな時代の幕開け」という意味では共通であるともいえるのである。
そしてもう一つ共通なものがある。
それは、どちらのドラマも現代人に対して放映し、何かを訴えているということなのである。
「#麒麟がくる」「#青天を衝け」Twitterでのハッシュタグ出現数を調査 男女の反響に差
SNSの分析ツールを開発・提供するCINC(東京都港区)は、2月に反響の多かったハッシュタグ(#)トップ100の中から、NHK大河ドラマ「#青天を衝け」と、前シーズン作品の「#麒麟がくる」を対象に、Twitterトレンドの調査結果を発表した。
ハッシュタグの出現数を調べると「麒麟がくる」は、71万7100だった。最終話の放送時にTwitterの公式サイトで公開された、主演の長谷川博己さんのラストメッセージを届ける投稿が、出現数の伸びに大きく影響した。
新たに放送が開まった「#青天を衝け」は80万6770で、放送開始日に一気にハッシュタグが出現。その後も放送日に合わせて出現数を伸ばしランキング上位に入った。
●ユーザーの傾向の違いは?
次に「#麒麟がくる」と「#青天を衝け」の出現数に影響を与えている、ユーザーの傾向や属性を比較した。放送日から翌日にかけてツイート数やハッシュタグ出現数が増加する傾向は共通していたものの、ユーザーの属性には違いが見られた。
「#麒麟がくる」は男性44%、女性31%と、男性による反響が優勢だった。一方「#青天を衝け」では男性38%、女性55%と女性が多く、ユーザーに占める男女の比率が逆転する結果となった。
その背景には女性ユーザーの反響が関わっている。「#麒麟がくる」では「長谷川博己さん」が上位にランクインするも、以降は「信長様」「帰蝶様」などの役名が上位を占め、ストーリー中の登場人物に注目が集まっていた。「#青天を衝け」は出演者に注目が集まる傾向があり、出演俳優の女性人気の高さが反響数の増加を後押しした。
次に「#青天を衝け」を含むツイートを分析したところ、草なぎ剛さんや主演の吉沢亮さん、そして草なぎ剛さん演じる徳川慶喜に言及するツイートが多かった。またこれらのキーワードを含むツイートに対しポジティブな反響が多かった。
「青天を衝け」の公式Twitterアカウントのフォロワー数は3月23日時点で9万6500だ。今後のドラマの展開や公式Twitterアカウントでのコミュニケーションを通じて、ハッシュタグの出現数、公式Twitterアカウントのフォロワー数はどのように変化していくのか。SNSでの影響力もヒットの要素になることから、今後のプロモーション戦略に注目だ。
2021/03/27 15:04 ITメディアビジネス
https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E9%BA%92%E9%BA%9F%E3%81%8C%E3%81%8F%E3%82%8B-%E9%9D%92%E5%A4%A9%E3%82%92%E8%A1%9D%E3%81%91-twitter%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%83%8F%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%82%B0%E5%87%BA%E7%8F%BE%E6%95%B0%E3%82%92%E8%AA%BF%E6%9F%BB-%E7%94%B7%E5%A5%B3%E3%81%AE%E5%8F%8D%E9%9F%BF%E3%81%AB%E5%B7%AE/ar-BB1f1eEl?ocid=msedgntp
ドラマというのは、そもそも「現代の人」(つまりは、その放映日の時代の人々)に見せるものであって、歴史の学習をしている者でもなければ、当時の人の確認を取っているわけでもない。当然に、その内容は現代の人が歴史上の人物を題材に現代の人に向けてドラマを作り、そして現代の人がそれを演じるということになる。当然にそこにあるのは、現代の人の感覚であり、「その時代はきっとこうであったに違いない」というような現代の人のコンセンサスに基づいて作られるものである。
もちろん「現代の人」といっても様々で、その現代の人の「どの人」に「どんなテーマを与えるか」ということが最も重要な内容になるのである。
つまり「万人受け」を狙っているわけでもなければ「時代考証的に最も素晴らしい当時の話」を再現しているわけでもない。例えば、昔子分の時間に言われたことであるが、「なぜ源氏物語や伊勢物語を現代語するときに関西弁で訳さないのか」ということを聞かれたことがある。その意味で言うと、橋本治氏の『桃尻語訳 枕草子』(河出文庫)のように、まさに書いている内容などは全く変えずに「現代人」にしっかりと焦点を当てた本が話題になるのである。確かに本来であれば、織田信長と足利義昭の会話は、名古屋弁(尾張弁)と京都弁であり、詳細な部分でニュアンスが異なるようなことがあってもおかしくはないが、残念ながらその辺はドラマに反映されない。つまり、それが「現代人に与えるテーマ」ではないのである。
「#麒麟がくる」は男性44%、女性31%と、男性による反響が優勢だった。一方「#青天を衝け」では男性38%、女性55%と女性が多く、ユーザーに占める男女の比率が逆転する結果となった。<上記より抜粋>
まさにこのような所がなかなか面白い結果になる。何が話題になるのかということが最も大きな内容になるのである。そしてそのドラマが「どの層にしっかりと訴えられているのか」ということがかなり出てくることになるのではないか。
「#麒麟がくる」では「長谷川博己さん」が上位にランクインするも、以降は「信長様」「帰蝶様」などの役名が上位を占め、ストーリー中の登場人物に注目が集まっていた。「#青天を衝け」は出演者に注目が集まる傾向があり、出演俳優の女性人気の高さが反響数の増加を後押しした。<上記より抜粋>
つまり、「麒麟がくる」では、歴史ドラマの世界に入って来る人が少なくないのに対して、「青天を衝け」では、その役者に対して役者の魅力を見ている人が少なくない。同じ視聴率という数字だけでは全くわからないということになるが、最近のSNSはこれらのことが全て見えているということになるのである。
双方のドラマが全く異なるというような話になる。そのドラマの魅力は、それぞれである。その内容をいかに見極めてゆくのか、そしてそのような特性を踏まえて何を訴えてゆくのかということが非常に面白ということになるのである。