【戦国時代展】特集⑪尼子家さいこー!
「戦国時代展」で目にすることができる”甲冑”紹介、第2段!
(第1段の記事はこちらから)
重要文化財 色々威腹巻 兜・大袖付 15-16世紀
島根・佐太神社蔵
※前期(11月23日~12月25日)展示
大きな梶の葉の鍬形(くわがた)が目を引くこちらの甲冑は、
尼子経久(あまごつねひさ)所用と伝わるそうです。
尼子経久といえば、守護代、つまりその地域のトップを補佐する役割から、11か国を制するまでにのし上がった
下克上の典型。
経久を語らずして、戦国時代の中国地方の歴史は語れない!という人物です。
「週刊ビジュアル戦国王」第9号 尼子経久(戦国王列伝①②)
とはいえ、20代前半までは、確かな資料には登場せず、幼少期は謎だとか。
経久が史料に登場するのは、出雲の守護の京極政髙から上洛を命じられた際のこと。
経久が人質として京都に送られるかわりに、京極氏から尼子氏与えられたものがありました。
尼子氏は、海上交通の要所として栄えていた美保関(みほのせき)の関所の公用銭(税)の徴収を任されていました。
この地は、室町幕府の直轄領で、重要な収入源でしたが、通常5万疋を納めなくてはならないところを、5年間は4万疋で良しとされ、
1万疋は尼子家が手中に収めることができるようになったのです。
応仁・文明の乱で権威が衰えた幕府を尻目に、あちこちの守護や守護代、国人といった領主たちは勝手をしはじめるのですが、
もちろん尼子氏も!
美保関公用銭の上納をサボり、横領しはじめます。
尼子家を継いだ経久も、
寺社本所領を横領。
税を横領する経久に、幕府から追放命令も出され、居城の月山富田城を追われましたが、すぐに奪還。
守護の京極氏も追い出されるように上洛し、尼子氏は徐々に出雲の支配を手中に収めていきました。
中国地方の覇権を尼子氏と争ったのが、大内氏でした。
尼子経久が隣国へ攻め入り激しく争っていたのは、60代後半から70代前半だとか!
元気ですね〜。
ところが、この頃、力を広げ始めたのが毛利氏です。
それまで尼子氏の味方をしていたのですが、大永5年(1525)に毛利元就は、
大内方に鞍替えしてしまいます。
経久にとってこれは大きな痛手だったようです。
さらに、なんと、
三男の興久が反乱を起こしてしまいます。
興久は、経久パパの自分に対する処遇に不満を持っていから・・・と父子の対立として描かれてきましたが、それ以上に、出雲にもとあった勢力が尼子氏の勢力拡大に反発して起こった事件だったようです。
とはいえ、逆に、この反乱を収めたことで、出雲国にける尼子氏の権力はより強化されたともみれるとか。
その後も活発に隣国へ軍事行動を起こした尼子氏。
経久の孫の詮久(あきひさ)が20代の青年になり、家督を継ぐことができるようになった頃、経久は84歳でその生涯を終えました。
しかしその後尼子氏は、大内氏の内紛(詳しくはこちら)後、戦国大名へとのしあがった毛利元就という知将に翻弄され、
ついには滅びてしまいます。
ですが、尼子家の遺臣たちは、尼子氏再興をかけて織田信長の援助を受けるなどして各地で抵抗。
衰亡した主家の再興に尽くす姿は、江戸時代、忠義の武将として
尼子十勇士「山中鹿之介」などの悲運の英雄像を作り上げていきました。
毛利元就登場までの中国地方の争いや、滅亡した尼子家遺臣団の活動も注目です!
尼子経久の前半生は、「週刊ビジュアル戦国王 第9号」に掲載されています!
また、今後発売予定の28号にも尼子経久が登場します!お楽しみに!
戦国時代展
【東京会場】
2016年11月23日(水・祝)~2017年1月29日(日)
東京都江戸東京博物館 1階特別展示室
〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1
URL:http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
開館時間:午前9時30分~午後5時30分
(土曜日は午後7時30分まで ※入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日。ただし1月2日、9日、16日は開館。
年末年始(12月26日(月)~1月1日(日)
問合せ:江戸東京博物館 TEL:03-3626-9974(代表)
【京都会場】
2017年2月5日(土)~4月16日(日)
京都府京都文化博物館 4階・3階特別展示室
〒604-8183 京都市中京区三条高倉
開館時間:午前10~午後6時
金曜日は午後7時30分まで(入館はそれぞれ30分前まで)
休館日:毎週月曜日(3月20日は開館)、3月21日
問合せ:京都文化博物館 TEL:075-222-0888(代表)
【山形会場】
2017年4月29日(土・祝)~6月18日(日)
米沢市上杉博物館
〒992-0052 山形県米沢市丸の内1-2-1
URL:http://www.bunpaku.or.jp/http://www.denkoku-no-mori.yonezawa.yamagata.jp/
開館時間:午前9時~午後5時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:5月24日(水)
問合せ:米沢市上杉博物館 TEL:0238-26-8001 (代表)