YAMAHA YTS62(初代)テナーサックスをフルリプレートオーバーホールさせていただきました。
YAMAHA YTS62(初代) テナーサックスをSP※1 にリプレートさせていただきました。
※1 SP=シルバープレート=銀メッキ
また今回はオーバーホールということで、リプレートだけでなく
・すべての針ばねの交換(低級品に多いステンレスから鋼鉄製の針ばねに)
・全タンポ交換(62に採用されている撥水加工されていないものから、最高級品の撥水処理済みのタンポに)
・フェルトやコルクの全交換
・管体の繋ぎ直し
今回はBefore&Afterも踏まえてSPになるまでをご紹介したいと思います。
1 まずは完成したSPのテナーサックスです。↓
2 次に最初の状態です。この楽器は現在も販売YTS62の中でも初代とされる30年以上前の楽器となります。特に初代は現在でもジャズプレイヤーをはじめ非常に人気があるモデルです。経年によるさびやラッカーの痛み、各箇所にある程度がたの来ている状態でした。
3 まず全てのパーツを分解します。キーだけでなく2番管とU字管も分解します。
その後タンポ、コルク、タンポ、針ばね等の消耗品全て外します。その後ラッカーの剥離を行います。剥離しただけでは綺麗に強くメッキがかからないため、次の工程で研磨をして、下地作りをします。
4研磨した管体とキーです。メッキの際に最重要となる工程です。メッキの出来は9割がた研磨の出来です。表面に残った傷はそのままメッキをかけた後も浮いてくるので鏡面に仕上げます。個人的にはリプレートの中で一番手間のかかる工程です。またさびがかなり多く出ている彫刻部分ですが、できる限り彫刻は消さず、最小限の研磨で最大限鏡面を目指します。
6 完成した楽器です。
彫刻も無事残りました。
フェルト、コルク、タンポ等々消耗品を新品に交換して組み上げ完了です。また組み上げの際は、楽器に求める点や演奏スタイル、理想の音色等々をヒアリングさせていただいて、タンポをはじめ組み上げに使うパーツはすべてお選びいただいて理想の一本を一緒に作り上げさせていただきます。