#グローバリズム X #ナショナリズム - 融合
「ハーバードビジネスレビュー」様より
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2020.08.06
グローバリズムとナショナリズムは二者択一ではない
どちらか一つではなく、融合させる
デイビッド A. ウォルドマン マンスール・ジャビダン
近年、各国のナショナリズム的な感情は顕著に高まっており、新型コロナウイルス感染症による危機は、その傾向に拍車をかけた。
一方、多国籍企業の経営陣は、グローバリズムの恩恵を享受しており、難しい状況に置かれている。
企業は、どちらか一方を選択しなければならないという考えを捨て、いかに両立するかを考えるべきだと筆者らは主張する。
長年にわたり、政府関係者やビジネススクールの教授、エグゼクティブは、グローバル化の恩恵を信奉し、確かな証拠で自分たちの主張を裏づけてきた。
たとえば、国連のリポートによると、グローバル化と国家間の経済的な相互依存関係は、世界のGDPを2000年の50兆ドルから2016年には75兆ドルに増加させることに貢献した。
もう一つ重要な指標は、国境を越えた雇用機会の増加だ。
移民労働者は2017年に推定4660億ドルを祖国の家族に送金している。
グローバリズムの類義語は、「発展」「成長」「成熟」などだ。
多国籍企業の経営陣はグローバルなマインドセットを持つように日々奨励されている。
ただし近年は、ナショナリズム的な感情が高まっているようだ。
現在のパンデミックと経済不況の中、政治指導者は、世界的な解決策を見つけるために協力するより、自国民のための解決策を探すほうが得策だと考えるかもしれない。
今回の危機の前から、世界の多くの地域で、保護主義者とポピュリストの政治家が支持を集めていた。
内向きに転じる流れは企業の分野でも見られる。
企業は国内で雇用を創出したり、国外から国内に戻したりしていることを誇示し、消費者に国産品の購入を促している。
米国では多くの製造業者が、ドナルド・トランプ政権が外国の競争相手に課した関税に拍手を送った。
英国では有権者がブレグジット(EU離脱)を選んだため、企業はそれに合わせて調整を迫られるだろう。
そして、米国企業の中国人幹部は、堂々と中国共産党を擁護する。
ある人が筆者たちに言った。
「中国政府が自国に最大の利益をもたらすような政策を展開することに、何も問題はない」
ナショナリズムは、偏見や外国人恐怖症など否定的なものと結びつけられることが多い。
しかし一方で、愛国心や優れた市民権といったポジティブな意味合いも持つ。
このような状況と、ナショナリズムの関連性が高まっていることを考えれば、今日のエグゼクティブは、グローバリズムかナショナリズムのどちらか1つを選択するわけにはいかない。
むしろ、2つを両立させる方法を見つけなければならないのだ。
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