野菜の栄養機能性
消費者は野菜の栄養を知ることが大切であり、栄養成分の機能性をざっとまとめたのが図14である。
含有成分を見ていくと、ビタミン・ミネラルが多いが、大事なのは、食物繊維、カロテノイド、ポリフェノール、グルコシアネートの4つの成分である。
*カロテノイドは黄・橙・赤色の野菜に多く含まれる
*グルコシアネートはアブラナ科(キャベツ,ブロッコリー,芥子菜など)に多く含まれる
ほうれん草などに含まれているルテインの摂取量が多いと、加齢黄斑変性の発症リスクが低かったという結果が出ている。ほかにも白内障発症リスクが低かったという結果を使って、システマティック・レビューに生かされている。コホート内症例対照研究においても、乳がんの発症リスクが低下する可能性がでている。
ヒト介入試験で大豆イソフラボンを投与したところ、LDLコレステロールや血糖値が低下したり、骨密度が上昇したという結果が出ている。大豆イソフラボンの1日の摂取目安量の上限は75ミリグラムと決まっており、どのように食べていくかが重要である。
アブラナ科の野菜に含まれるグルコシノレートは、解毒作用があることが知られているので、できるだけグルコシノレートの含有量の多い物を摂った方がいいと思う。残念ながらグルコシノレートは消失しやすい成分である。実際に野菜ジュースを分析してみたところ、グルコシノレートは全くなくなっていた。唯一、青汁として冷凍で供給されているものにはグルコシノレートが残存していた。自分が摂りたい成分によって、どのような物を選んだらいいのか考えることが非常に大事だと思う。
農研機構において分析している大豆タンパク質のβ−コングリシニンや、ニンニク抽出の硫化アリルは心臓血管系の疾病を予防するという報告がある。
(農畜産業振興機構の資料より)