名曲喫茶の記憶.5~鶴ヶ島編《お客様》
毎週月曜日に来店されるお客様がいらっしゃいました。
この方は、指揮者チェリビダッケの大ファンで、毎回1枚、チェリのCDをご持参になられました。チェリビダッケのCDも今はセット物で格安で購入できますが、当時はチェリの廉価版は出てなかったですから、結構お金もかかったでしょうね。
なので、私もほぼ毎月曜日はチェリビダッケがミュンヘンフィルを振った様々なライブ演奏を堪能できたわけです。曲が始まる前のあの静けさ、演奏者の緊張感がバシバシ伝わってきますよね。私は、"展覧会の絵"がお気に入りです。
基本的に、こちらからお名前を伺う事はしなかったので、私は密かに「チェリさん」と名付けていました。
それがある日から、パッタリ来られなくなりました。
あ~、さすがにもう手持ちのCDが尽きたのだろうな、、、と勝手に思いました。
ほほ毎週水曜日に来られるご婦人がいらっしゃいました。
どうやらチャイコフスキーのお好きのようでした。
毎回交響曲を一曲ずつリクエストされました。
1番から6番まで終わるとまた次回は1番から、といった感じです。
カデンツァが本郷に移転するまで、本当によくご来店いただきましたので、私もとても感謝していたのですが、移転後しばらくしてからメールをいただきました。
「なぜ無視するのですか?、ずっとお店に通っていたのに、感謝の言葉もなく酷い人ですね」みたいな事が書かれていたと記憶しています。
どうやら、その前にもメールを送っていただいていたらしく、私がそれをスルーしてしまったのが原因のようでした。
その時も返信させていただいたのですが、メールを見た記憶もなく、受信BOXにも残っていなかったのです。もしかしたら迷惑メールに振り分けられてしまったか、私が間違えて削除してしまったか、、、
でも、それ以降返信はありませんでした。
鶴ヶ島時代の大事なお得意様でしたので、これは本当に残念な記憶です。
たぶん、クラシック音楽を聴いたりするのは別にどうでもいい感じ?なのでしょうが、よくいらしてくれたお客様もいます。この方は、埼玉県ときがわ町辺りの観光スポットの施設応援団のような方で、観光MAPやお店の案内を持ってきてくれたり、野菜などの差し入れもよく頂戴しました。
おそらく、いろいろおしゃべりをするのがお好きだったのでしょうが、他のお客様が見えるとピタリと会話を止めてくれるありがたいお客様です。(鶴ヶ島の時も会話禁止でしたから)
私もそれがきっかけで、開店前に時間を作ってときがわにドライブに行きました。
美味しいお蕎麦屋さんと、これまた美味しい水出しコーヒーが自然の庭先で飲める喫茶店がありました。喫茶店のマスターにお客様の事をお話したらご存じのようでした。
このお客様も移転の頃までお越しいただいた大事なお客様でした。
↓ ときがわ町の公式ガイドページです。
https://www.town.tokigawa.lg.jp/info/1885