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漢方薬の入る場所

2021.04.03 22:51

普通、漢方薬は飲むものなので、その漢方薬が作用する場所を意識するということはないのではないかと思います。

気管支喘息に用いる五虎湯という方剤があるのですが、基本的には麻杏甘石湯に桑白皮が加わったものです。喘鳴がある時などに使うとされています。ただ、発作が酷いような時には麻杏甘石湯の方が良いとか・・・。


この文章だけを読んで頭の重みがあるとか腕の痛みがある、腰の痛み等には合わないと思います。合わないというより論外な気がします。

ところが、その人の異常部位とその漢方薬が入る場所によっては、他の漢方薬と複合させることで効果を発揮することがあるように思います。春になって肺系統の異常がボチボチあり、胸から上の症状が出る人が出てきています。


右腕から首にかけての異常に五虎湯が適応になっている人がいました。そんな馬鹿なと思う専門家が殆どだと思いますが、漢方薬が持つ特性として情報が入る場所とそうでない場所があるので、その人にとっては、右腕と首に五虎湯が作用したということだと思います。

以前、スコープという話しをしましたが、この話しと類似します。どこにスコープを当てるかで刺激は大きく変化してくるということです。

また、その人によって、通常とは違う場所に入る場合もあります。経絡としては肺経に入るようですが、水の流れの異常があり、熱性の反応があれば、腰痛であろうが膝の痛みであろうが症状に関係なく効果があるのではないかとも思えます。


このあたりが本当に面白いなぁ~と思います。


ネットで五虎湯を調べてみると、小青竜湯と五虎湯を混ぜることで鼻炎の時に速効するという書き込みもありました。今の季節にピッタリと言えば、ピッタリです。その変わり症状が出た時に直ぐに飲んで直ぐに止めるというような内容でした。

そのとおりだと思います。

多分、そういう使い方をすると肺系統から来ている腕や腰の痛みが軽減されたりしていくのだろうと思います。意識していないから、そのことを理解できなかっただけだろうと思います。


麻黄が入っているので胃腸障害を起こしやすい人には不向きとされていますが、適応にさえなっていれば、普段胃腸障害があっても問題はないはずです。もちろん、長く飲むのではなく一回きりです。

常識的な使い方ではありませんが、逆にそういうことから一般的な肩凝りや腰痛が改善しないということもあると思います。

もちろん飲ませている訳ではなく、漢方薬の情報を身体に渡しているだけですから、飲ませた場合どうなるかはわかりません。飲ませるなら、種類だけでなく量も関係してくると思います。


漢方薬の情報を身体に与えると身体が変化するというのは本当に面白いなと思います。

鍼灸師であっても、漢方薬の効能や、実質的に入る場所を特定できるようになると、身体の仕組みが深くわかってくるので、本当に興味深いです。


難病の治療で、何々が治ったとか言うことより、身体の基本的な構造を理解し、穴や漢方薬の成り立ちを理解し、それを元にして積み上げていくことで、どんな症状に対しても改善方向に導くことが可能になってくるはずです。

漢方薬の理解は、その一助になると思っています。