漁協表敬訪問
<令和3年4月4日(日)>
この度、パタゴニア環境助成金プログラムで採択された私たちの活動プラン。
その内、私たちがヤマメ・アマゴ等の在来種調査を行う水系の管理をなさっている内水面漁協の組合長のところへごあいさつと、調査活動に関するご相談にうかがいました。
ご多忙のところ、快く出迎えていただいた組合長。実は、数十年前に私どもの理事長(榎木葉三)と一緒に働いたことがあるそうです。
ご縁というのは本当に不思議なもの。
当日の参加メンバーは岩槻教授をはじめ、理事長、私(KUMOJI)、BORAヤン、上小丸KIDの5名。
始めに我々倶楽部と環境助成金プログラムの内容を紹介させていただき、その後この水系の様々な現状についてディスカッションさせていただきました。
果たしてそこに大昔から在来のヤマメ・アマゴ等はいたのか?
全国様々な河川の調査を長年行ってきた岩槻教授によると、このことを探る1つのキーは実はヤマメ・アマゴ以外の生物にもあるそうです。
その1つが鮎。
まだダムがない時代、海から遡上してきた鮎が一体河川のどのあたりまで来ていたのか。
そのことを探ることがそこに在来のヤマメ・アマゴがいるかいないかを判断する重要な材料になり得るそうです。
そして、ダムがまだない時代のことを記憶しておられるのはその地域に住んでおられるご高齢の方々。
岩槻教授から組合長に対してそういった方々に聞き込みをしていただくようお願いがありました。
それ以外にもモクズガニ、ヤマトヌマエビなどの生息状況もこのことに対する重要なヒントになり得るそうです。
ただサンプルを採取し、DNA解析を行うだけでは真実は求められない。現地におもむき、昔のことについて様々な聞き込みを行う。こんなフィールドワークもとても重要なのです。
そして漁労長からも教授に対して、この水系が抱えるさまざまな問題について熱心なご相談がありました。
在来のヤマメ・アマゴを守り育てていくためには、当然ながら、まずはその分布状況を把握しないといけません。そしてそのためには今までとは違った様々なアプローチが必要になるのです。
短い時間だったけど、濃密な内容の会合。
会話が一段落して組合長がおっしゃった一言。
「米良鹿って、その辺にいるって言われてますよ。」
とおもむろに目の前の森を指さされました。
これもまたロマンです。
無事表敬訪問が終わり、小雨そぼ降る中、メンバー全員で大昔からある由緒正しい神社にお参りをしました。
この調査がうまくゆき、私たちがこの地域環境保全に役立てるように。
何よりまずは安全にプロジェクトが行えるように。
お参りしたことで、いよいよスタート、という気にさせられた1日でした。
(文・写真:KUMOJI)