松戸富田麺業(千葉)
ほぼ半世紀振りに大改装中のJR千葉駅だが、11月20日にコンコース部分が先行オープンし、駅ビル「ペリエ千葉」の「エキナカ」3F部分がオープンとなった。改札内に飲食店や物販店などが40店舗以上一気にオープン。この十数年、都内のターミナル駅では「エキナカ」業態が盛況だが、千葉県内の駅中施設としては最大の規模を誇る施設が誕生した。
ペリエ千葉エキナカのコンセプトは「千産千消」。地元の店舗や企業を積極的に誘致しているようで、ラーメンでは松戸の「中華蕎麦とみ田」に白羽の矢が立った。とみ田グループとしては初となる千葉市エリアへの出店で、初の駅中業態。17日には成田空港ターミナルビルに新ブランド「日本の中華そば富田」をFC業態でオープンさせたばかりだが、それとはまた違った新ブランド「松戸富田麺業」として直営での出店になる。これまで三井系(ららぽーとTOKYO-BAY、木更津アウトレット)には「松戸富田製麺」という業態で出店していたが、こちらは店名もメニューも若干異なっている。
富田製麺も日本の中華そば富田も、そしてこの富田麺業も、とみ田譲りの濃厚豚骨魚介による「濃厚つけ麺」は基本的に変わらないが、ラーメンの設計が異なっている。この富田麺業のラーメンは、昔ながらの手打ち風東京ラーメン。と書くとちょっと分かりづらいかも知れないが、ラーメン好きの人に分かりやすく例を挙げるなら、新宿の名店「満来」や「ほりうち」のような方向性を持った清湯醤油ラーメンである。なお、このラーメンは今のところ富田麺業だけでの提供となっている。
スープはちょっと濁った清湯スープで油分はほとんどなく醤油の色はかなり薄め。若干の甘さがあるカエシに生姜の風味がしっかりと香る。満来などよりも角がなくてまろやかな口当たりのスープに合わせるのが、多加水の中太平打ち麺。手打ち風と謳っているが、スパンとエッジのある製麺機切り出し麺。この麺自体は嫌いではないけれど、個人的にはもっと不揃いであったり手揉みでよれているような麺の方がこのラーメンには合っているように感じた。
チャーシューはデフォルトだと2枚なのだろうけれど1枚サービスしてくれているよう。この店のチャーシューはバラと窯焼きの2種類があるが、デフォルトではどういう構成なのかは聞きそびれてしまった。また、サイドメニューの「心の味大餃子」は1個が普通の餃子の2〜3個分はあるような大きな餃子。見た目よりもライトな仕上がりになっているので、3個くらいはペロリといけてしまう。餡にしっかり味がついているので醤油は不要。店としては酢ラー油をオススメしている。値段は2個(240円)3個(350円)5個(580円)。
特筆すべきは完璧なオペレーション。初日は店の前に並べるのは5名ほどで、あとは店の向かいの壁に並ぶ形になっていて、スタッフにうながされて先に食券を買って列に戻ると、頃合いをみてスタッフが食券を回収してオーダーを取るシステムなのだが、この連携が実に見事で、着席して1分も経たずしてまず餃子が出て来て、追いかけるようにラーメンも出て来た。これを大混雑の初日にやれてしまうのだから凄い。
これまで松戸エリアでドミナント戦略を貫いてきたとみ田グループだが、ここ数年で船橋、木更津、成田、千葉と県内の広い範囲でとみ田の味を楽しめるようになって来たのは、東葛には行き辛い湾岸エリアに住む私としても嬉しい限り。なお、こちらの店舗は駅改札内にあるので利用するには電車に乗るか入場券(2時間制140円)が必要だ。
松戸富田麺業
千葉市中央区新千葉1-1-1 ペリエ千葉エキナカ3F(JR千葉駅改札内)
8:00〜22:00/日祝9:00〜22:00
無休
JR線「千葉駅」コンコース内(東京側8番9番ホーム間)