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KYOSHO RC BLOG

たまにはGPオンロード!

2021.04.06 21:26

最近はオフロードばかりで左手の人差し指にストレスが溜まってます。

RCカー開発担当の宮崎です。


ということで今回はGPツーリング。

ちょっとマニアックですが、クラッチの話です。


サーキットでセッティングの話をしていると最後はクラッチの話になることが多いですよね。


それくらい重要なパーツなのですが、きちんと組めていない人もいるので基本的な組み方を紹介します。


最近はGPツーリングカーといえば、OSエンジンさんの12TGがメインになっています。

そこで先日、このエンジンに合わせたクラッチパーツを京商からリリースしました。

V3アルミクラッチベルクラッチシューです。


最大の特徴はアルミクラッチベル内側に表面処理を施したところです。

ここの摩擦を調整したこととTGエンジン専用のクラッチシューとの組み合わせが絶妙な食いつきでエンジンに過度な負担をかけずにパワーを引き出し駆動を伝えられるのが特徴です。


これらのパーツはセットで使用することで最大の効果を発揮します。


別途微調整するのに内径5mmのシムが必要になります。

96643 5x7mmシムセット(0.1/0.2/0.3mm/各10入)が便利です。


では組立てていきましょう。


・・とその前にクラッチウエイトをどう使うかを決めます。


クラッチウエイトをそのまま使用する振り子式、カットして裏技的に使うのが押し出し式と言います。


これが振り子式

フライホイールのピンを軸に弧を描いて動きます。


これが押し出し式

矢印方向に直線的に動きます。


エンジンの回転が上がると遠心力によって矢印の方向にクラッチウエイトが広がります。

この違いによって若干フィーリングが異なります。


それぞれの特徴として押し出し式は扱いやすく電動カーから移行した方やゴムタイヤでの走行に向いています。


振り子式はパワーを引き出しやすいのでスポンジタイヤでレース志向の方に特にオススメします。


もちろんゴムタイヤで使うのもokです。



押し出し式の場合は写真のようにクラッチウエイトをカットします。


カッターで簡単に切れますがケガには注意してください。


では本当に組んでいきましょう。


まず、振り子式の場合はフライホイールの3本のピンにクラッチウエイトの穴を差し込みます。


角をカットしてある方がフライホイール側です。


押し出し式の場合はフライホイールのピンとピンの間にクラッチウエイトを置いていきます。


それぞれ上の写真を参考にしてください。


そして通常通り組んでいきます。

そしてクラッチナットを締め込みます。


ちょっと宣伝になってしまいますが、クラッチナットの締め込みに最高な工具があります。

特に調整の時に便利なのですが、首のところにマーキングがしてあります。


自分のは凹部にピンクのマーカーを流し込んで見やすくしています。

老眼なもんで・・・


これが1メモリで約0.1mm締め込みの目安になるのでセッティングの際に手際良く作業が可能です。


以前のブログでも紹介したので見てみてください。

こんな風に使います。


ここで締め込み量はスプリングはΦ1.7のものを使い、振り子式の場合が0.8~0.9mm、押し出し式の場合が0.7~1.0mmにします。

計測する場所は下の写真を参考にしてください。


次にクラッチベルにベアリングを入れます。

そして下のイラストのAのクリアランスのゼロ位置を出します。

そのためにBの位置にワッシャーとシムを使い調整します。


クラッチベルをエンジン側に押し付けクルクル回してみます。


このときクラッチベルがクラッチシューに微かに触れるか触れないかの位置を出します。

シムの厚みと枚数を変え根気よく頑張ります。


決まったらそこをゼロ位置とします。


次に振り子式の場合は、Bに0.3mmのシムを追加します、押し出し式の場合は0.4mm分のシムを追加します。


これがクラッチのクリアランスです。


最後にベルを固定する部分もシムを使いクラッチベルのガタがなくなるように調整します。


ビスを締めクラッチベルを回した時にスムースに回るように調整します。


バラしたついでなのでスラストベアリングにモリブデングリスをしっかり塗っておきましょう。


油切れするとクラッチが繋がった時に負荷になるので注意してください。


これで一旦完成です。


それではクラッチの慣らし走行をします。

数タンク走行したらクラッチをバラしてください。


そうするとクラッチベルの内側にクラッチが摩耗し付いていると思います。


でもクリーニングせずそのまま使用してください。


摩耗した分クリアランスが変わっているので再度調整します。


ちょっと面倒ですがこれで完成です。


あとはエンジン温度とフィーリングの様子でクラッチスプリングの締め込み量を調整してください。


締め込むと高回転でクラッチが繋がり、緩めると低回転で繋がるようになります。


ただしあまりパワーバンドから外れた低回転で繋ぐと運転は楽ですが、エンジンがヒートしやすくなったりするので注意してください。


逆に高回転過ぎるとアクセルオフで駆動抜けしやすく運転が難しくなります。


以前は毎週GPツーリングカーを走行させていたのですが、最近は月イチくらいしか走らせてないですが、やっぱりこのジャンルおもしろいですね!


もっと頻繁にやろうと思ってます。

今は・・・


では!