「Aymmy」のデザイナー、瀬戸あゆみが好きなアメリカンカルチャー
昼下がりの原宿。真っ赤なパーカーを着て、KUWAHARA(クワハラ)のBMXに乗ってる女の子が現れた。
1982年公開の映画「E.T.」のエリオット少年かと思ったら、瀬戸あゆみだ。エリオットの妹役を演じた、当時のドリュー・バリモア感もあるけれど(笑)。
瀬戸あゆみといえば、モデルとしての活躍はもちろん、自身のアパレルブランド「Aymmy in the batty girls(エイミーインザバッティーガール)」のデザイナーとしても才能を発揮している。また、今年の7月には3冊目となるスタイルブック「My 7Colors」が発売。Instagramのフォロワー数は22万人以上。ファッションだけでなく、ライフスタイルも注目されていて、アメリカンカルチャーが好きなことでも有名だ。
彼女が乗ってるKUWAHARAのBMXは、「E.T.」で実際にエリオット少年が乗っているのと同じもの。3年前くらいに復刻したのを購入したらしい。このカゴは、瀬戸あゆみオリジナルのカスタムだそう。
「このカゴはアメリカの Amazonで買ったの。牛乳ビン入れる箱。映画だったら、白なんだけどね(笑)」
瀬戸あゆみと最初に会ったのは、いつだったか。そのときすでに彼女は、アメリカンカルチャーが大好きで、映画や音楽に詳しかった。
「アメリカンカルチャーに興味を持ったキッカケは古着からだったんだよね。Zipperっていう雑誌に、高校2年生のときから載せてもらいはじめたんだけど、Zipper ってけっこう変わっててさ。編集部に服がばーって並べてあって、自分でコーディネート組んでって言われるのね。スタイリスト=自分みたいな感じ。そのときに自分のスタイルを確立しないと、この世界では残っていけないって思った。当時は何が好きなのか分からなかったから、とにかくいっぱい洋服を見て。いっぱい見ていくうちに、古着が好きって気づいたの。なかでもアメリカの古着。それで古着屋さんに通うようになったよね。ベルベルジンアールとか。映画や音楽のTシャツをいっぱい見て、興味を持って。店員さんにも、たくさん教えてもらった。それがキッカケかな。いまでもベースはアメリカンカルチャーの古着。最近は、自分のブランドやハイブランドも取り入れたりして、少しずつ進化はしてるけど、軸は変わってない」
彼女のファッションは、古着とブランドをミックスして着こなしていて、とてもかわいい。自身が手がけているブランド「Aymmy」は、どんなことを考えてデザインしているんだろう。
「Aymmy っていう、架空の女の子がいるの。ロサンゼルスに住むティーンネイジャー。彼女の好きな映画や音楽のカルチャーに基づいて、ライフスタイルを考えて、洋服を作るようにしてる。例えば、Aymmy が旅行に行ったらこんな服を着るかな、とか。放課後はこんな感じで、新しい友達も増えて、こんなバンドをやってて……。妄想のなかで洋服を作っていく感じ。自由奔放で、だれにも媚びなくて、気が強い。Aymmy は、私ができないことをやってるから、理想の女の子なんだ」
今日、瀬戸あゆみが着てる服はすべて「Aymmy」のもの。このパーカとインナーのTシャツは、近日発売の「E.T.」 コラボレーション。ほかにもコーチジャケット、セーター、ロンT、ステッカーセットが発売されるらしい。
「『E.T.』といえば、"E.T. PHONE HOME" だよね。このセーター見た? キャッチーでかわいいんだよ。ぜんぶオススメ。わたしが着てるパーカは、『E.T.』とBMXのブランド『430(フォーサーティ)』と『MILKBOY(ミルクボーイ)』とのフォースコラボなんだよね。この赤はAymmy 限定カラー。同じパーカを着た、『E.T.』のプラッシュドールとセットなの」
お世辞抜きで、どれも本当にかわいい。映画ファンなら、欲しくなること間違いなしだ。個人的には、この赤いパーカー。「E.T.」のプラッシュドールが付いてくるなら、なおさら欲しい。欲しいけど、どれもすぐに完売しそう(笑)。サイズによっては、男性でも着れる感じ。
「『E.T.』 を初めて見たのは、中学生のときかな。日曜ロードショーみたいなので。服を好きになってからの方が、『E.T.』を好きになった。映画に出てくるエリオット少年のお家の内装とか、ピザを頼むとことか。E.T.が良いヤツでかわいいってのもあるんだけど、物語の背景が80年代のアメリカ。一般家庭を忠実に描いてるのが、私にとっては憧れる。アメリカ好きの人ってそうだと思うんだけど、細かいディティールを見ちゃう。電気の感じとか、ソファのチェックの感じ。すごい憧れがある」
「E.T.」が好きっていうだけでなく、映画の細かいディティールに目を向け、注目していることに意識の高さを感じた。以前「ゴーストバスターズ」とコラボしたときも感じたが、彼女は、自身の好きなものをブランドに落とし込むセンスが良く、ほかのブランドにはないものに仕上げられる。これは映画の時代背景や細かいディティールにまでキチンと目を向けて作っているからだろう。それを意識せずに、自然とやっている感じ。
「Aymmyのイメージって、アメリカンポップで、若い子向け。だけど、私も大人になってきたし、ブランドの年齢層も上げていきたいって思ってる。今は大人でも着れるようなデザインとかも意識して作ってて。コラボものは、いままで通りのイメージだけど、モードが好きな人にも好まれるデザインを考えてる」
瀬戸あゆみが、今後どんな服を展開していくか楽しみだ。