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『ある日のあたし』Hiroe Suzuki

雪は……

2016.11.24 03:06

朝、雪が降り出して

目覚めたら、白く衣に被われた


秋いろの赤や黄色い木々たちが

白いドレスを身に纏い


『氷の妖精』となっていた!





あなたの体は

震えることすら忘れていて


久しぶりに白く輝くドレスを

身に纏い、あなたの存在すら

消してしまう雪の雫に埋もれ


冬のパーティーさながらに

群れをなし、舞踊会へと並んで

集うかのよう。舞い降りる白い雫。


あなたは、そこにいて赤を覗かせ

あなたは、ただ静かに黄色を隠して


サンタクロースを迎える子供たちの姿を

真似ているよう。遠くに聞こえる雪合戦。


街は、これから冬へ向かいます。



止まないでね。そんな子供たちの長靴は

サクサク音を立てている。帰りには

グチャグチャになっている通学路…。


ベランダから見える一面の雪は

どこかの日本画を思わせる…。



『雪原』…。

私は、関口雄揮画伯の絵を思います。


美しい白の世界に見る、神々しい

神の息吹。雪の雫に包まれて、神に

出会う子供たち。彼らは知らない…。



神の息吹のなかにいて、包まれていること。