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楽色時間

アニメならでは

2021.04.09 12:43


2021年の春アニメ。

制作が発表された時から気になっていたんですが、

先日ついに放送スタートとなりました。


『スーパーカブ』というアニメなんですが、

原付のあの『HONDAのカブ』に乗る女の子のお話。

最近でいうところの『日常系』と呼ばれるジャンルになります。

そして本田技研工業株式会社の協力・監修です。


物語の内容はネタバレ等もあるので割愛しまして、

このアニメなんですが、まぁなかなかの凄さ。

まだ1話のみなんで今後はどうなるかわかりませんが、

セリフもBGMも必要最小限なんですよ。

息遣いや生活音、静寂、または風景で登場人物の心情が描かれてます。


そして、最も凄さを感じたのが色使い。

主人公の『小熊』が原付を求めてシノさんという人が営む販売店に赴くのですが、

シノさんが奥から出してきた中古のスーパーカブを勧められます。

そして跨ってハンドルを握ったその瞬間、

周りの景色が一瞬だけ、色の彩度が1段階上がって鮮やかになるんです。


開始当初からアニメにしてはややグレイッシュで色みが薄いなと感じていたんですが、

彩度を上げることで『世界の見え方が変わった』ことを表現しています。

(モノクロからフルカラーって演出はよくありますけどね)


主人公の小熊は様々なことがあって『無』に近いような感情で、

ただ淡々と生きていた高校生、というような背景があるんですが、

そのスーパーカブと出会うことで心境に変化が起きる。

それをたった1音のピアノと色の彩度のみで表現していたことに驚きました。


その後、小熊が免許を取得してシノさんのお店でそのカブを購入し、

自分の足でエンジンを始動させたその瞬間にも同じ色の技法が使われています。


その印象が残っているからこそ、そこからの小熊の表情、行動に意味が出て、

開始直後とエンディングの『ほぼ同じ朝のルーティン』の映像にも、

小熊の高揚感を無意識に感じ取ることができて非常に良かったです。

色がつけられない小説や漫画ではなく、アニメだからこそですね。


次回から少し賑やかな、でも小熊にとって大切な女の子が登場するので、

どういう内容、演出になるのかはまだわかりませんが、

物語を楽しむという以外にも違う楽しみができた作品です。


もしご興味あればご覧いただければと思います。

スーパーカブに興味がなくても楽しめるのではないかと。

詳細はHPにてご確認を。