我執
おはようございます。
暮らし、味わう。
民藝と発酵をモノサシに
食を通して暮らしの豊かさを提案する
古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ
本日は水曜日で定休日!
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。
山下達郎さんの長寿ラジオ番組「サンデーソ
ングブック」。所謂オールディーズをかける
番組なのですが、オールディーズについて、
達郎さんはこんな趣旨のことを言っています。
「”oldies but goodies”古いけれどいい曲をか
ける。オールディーズといえば古い曲をかけ
る番組ですが、懐メロ番組ではない。現代的
視点から見て鑑賞に堪えるものしかかけない。」
この古い「けれど」いい曲、というところ
と、現代的視点、というところがポイントだ
と思います。
確か、番組リスナーから古い曲の方が、今の
曲よりもいいといったような葉書がきたこと
があった時に、今もいい曲は沢山あって、古
いからいいのではなく、時代を乗り越えて聞
き続けられてきたからこそいい曲だといった
ことも仰ってたと思います。
時代を乗り越えることが出来たからこそ。
柳宗悦が、美を見出し、蒐集した、所謂、
「古」民藝。
松井健さんの「民藝の擁護」より、柳の論を
要約したものを抜粋すると、
民藝とは、「民衆的」「工藝」であって、無
学で貧しい工人の手によって数多く作られる
、日常使いの器具で、安価である。慣れ親し
すぎたためにその美しさに気づかれなかった
が、時代の変化によってその美しさが再認識
されるようになった。機能的でよく使用に耐
え、単純素朴である。その美しさは、つくり
手の作為を超えた「無心の美」であり、素材
や製法の風土性、「自然からの贈り物」によ
って保障されている。大量につくられ、廉価
であり、反復してつくられるために技法は完
全にこなれて自由になり、そこから「自然の
美」が生まれ、単純で自由な「創造の境地」
に到る。おもに手工芸のものであり、地方の
独自性があり、これらの日用の雑器のなかに
「高い美」が現れる「不可思議な真理」があ
る。
当時は下手物と呼んでいて、柳宗悦が新たに
発見した美しさ、価値転換が「民藝」なわけ
ですが、よく言われる、無心、無作為、無銘
、我執を離れる・超える、といったことにつ
いて、先述のオールディーズを念頭に最近考
えていることをつらつらと。
古民藝について、作家ではなく、職人さんだ
から作為や我執は無かったのかもしれません
が、仮に作家で、それがあったとしても、時
代を経るに従い、それは忘れられ、消えてい
くものではないか?ということ。もっといい
モノを作りたい、上手く作りたいといったこ
とはあっただろうし、場合によっては、売れ
るモノを作りたいといった気持ちさえもあっ
たかもしれない。あったとしても、時代とと
もに、時代を越えることでその意識は消えて
今という時代から見て評価し、されるものだ
と思います。
卑近な例ですが、学生時代にバンド活動をし
ていて、自分で作詞作曲したものをバンドで
アレンジして演奏していると、自分の作品、
自分が作り出したという感覚は薄れていき、
もともとあったかのような感覚に陥ることが
ありました。プロのアーティストの方のヒッ
ト曲とかになると、おそらくもっとそのよう
な感覚があったりするのでは?と想像します
。作為や銘が消えていく感覚?
常日頃、(今の)作り手の方と接していて、
作為や我執から離れてみたいなことが必ずし
も言えないと思ったりもしますが、作り続け
るうちに個人として離れるということもある
でしょうし、作品として個人を離れ、時を経
るうちに、消えていくものではないか、とい
うのが最近考えていることです。
テマヒマについては、マーケティング的とい
うよりはブランディング的なところが強いお
店なので、それこそ寧ろ我執があるのですが
、自分から離れ、時を経るうちに、それも消
えていく、感じられなくなっていくのでは?
と、それこそ自分を擁護していたりします笑。
今日明日は定休日で、明後日4/29から5/9の
間は物販とテイクアウト営業となります。
ショップ 12:00-17:00
テイクアウト 12:00-14:00
・期間中イートインはございません
・火水曜日も祝日は営業致します
・テイクアウトのご予約は公式LINEがおススメです。
・前日までにご予約頂ければ別時間帯の対応が可能な場合もございます。
・テイクアウトは、味噌キーマカレー、発芽玄米、味噌玉(即席味噌汁の素)、漬物のセットで¥980(税込)です。
3度目の緊急事態宣言で、初めての試みになり
ますが、宜しくお願いします。
それでは生憎の雨天ですが、今日も好い一日を!